東京の〝現在〟と〝未来〟を守る 都議会公明党の施策1

ライター
松田 明

 東京都議会議員選挙にむけて「都議会公明党」が掲げる政策や実績について、月刊誌『第三文明』7月号に掲載された松田明氏の寄稿を掲載します。

公明党の原点

 来たる6月13日に告示、22日に投開票日を迎える東京都議会議員選挙。1400万人超が暮らす日本の首都の「次の4年間」を決める重要な選挙であり、7月の参院選の前哨戦として各党も国政選挙並みに力を入れている。
東京都議会は、公明党にとって1955年に初めて議席を獲得した〝原点〟でもある(当時は無所属)。1965年6月には、汚職にまみれ「伏魔殿」と呼ばれていた議会をリコール解散に追い込んだ。60年たった今も都議選がこの時期に実施されるのは、公明党が政界浄化に挑んだ爪跡だ。
 都議会公明党はキャスチングボート(政策決定権)を握る議席数を基盤に、他党の追随を許さない「現場力」「政策実現力」で「公明党は、いつも私たちが知らない現場の声を吸い上げてくる」(小池都知事)と言わしめる結果を出してきた。児童手当やDMAT(災害派遣医療チーム)の創設、私立高校授業料の実質無償化など、公明党が推進して東京都で実現し、全国へと波及した政策は数多い。
 1990年代終盤には財政再建団体への転落の危機に直面するほど、都の財政は悪化していた。これも公明党が「財政の見える化」に取り組み、2006年度から自治体として初めて「新公会計制度」を導入。民間企業に準じた会計手法で1兆円に上る〝隠れ借金〟を解消し、適切な「事業評価」によって2024年までの18年間で1兆円超のムダを削減した。2025年度予算編成でも1303億円の財源を確保して、新年度からの施策に活用される。

シルバーパス負担額4割引き下げ

 東京都民のうち65歳以上の人口は約311万人で、およそ4人に1人を占める。中でも70歳以上の高齢者の社会参加に不可欠なのが「シルバーパス」だ。都バス、都営地下鉄、都内を走る民営バス等で使え、年間約100万人が利用している。
 公明党は昨年12月、物価高騰による都民の暮らしの窮状を踏まえ、住民税課税世帯のシルバーパス負担額を月額1000円程度に引き下げることを小池都知事に要望した。何よりこれには、高齢者の社会参加や健康増進、健康寿命の延伸を後押しするため、外へ出かけやすいように――との公明党の思いがあった。
 その結果、2025年10月からは、住民税課税世帯でも従来の年間2万510円から4割減の1万2000円に引き下げることが決定。さらに便利に使えるよう、シルバーパスのICカード化の早期実現に向けて、システム改修も進められることになった。

 50代から年々に発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹。この対策にも都議会公明党は取り組んだ。帯状疱疹にはワクチン接種が有効だが、1万~4万円程度の費用がかかる。そこで公明党が都と区市町村のネットワークを生かした結果、2024年度にはほとんどの自治体で、接種にあたって都からの助成が可能になった。
 この東京都の取り組みは国も動かし、2025年4月から65歳以上の人などを対象とした帯状疱疹ワクチンの定期接種化が実現。全国で費用負担の軽減が進む(自己負担額は区市町村が決定する)。なお定期接種に該当しない50~64歳については、引き続き接種を担う自治体へ都からの助成が行われる。

ポイント付与で家計を支える

 都議会公明党の「家計応援計画」の一環として、都公式の「東京アプリ」利用者に、買い物などで使えるポイントを付与する。対象となるのは、アプリを利用しマイナンバーカードと連携して登録した15歳以上のすべての都民。急激な物価高への対策の一つだが、現金給付にした場合、消費されず貯金に回る可能性があるため、ポイント付与という形をとったのは現実的な対応といえる。
 さらに公明党は、デジタルに不慣れだったり、アプリの使用に必要なスマホを持っていなかったりする高齢者への支援も都に要請。都議会の代表質問で、都議会公明党の東村くにひろ幹事長がこの点を指摘すると、山田忠輝・デジタルサービス局長は、

幅広い都民が利用できるよう、支援策を講じることが重要だ(『朝日新聞』2月27日)

と述べ、高齢者へのスマホの購入助成を検討する考えを表明した。
 この報道のとおり、都は65歳以上がスマホを購入する際に3万円の助成を決めた。さらにデジタルに不慣れな人を対象に、通信キャリアのショップで、

補助金の申請
②東京アプリのインストール
③スマホ教室

――の3点を実施してくれることになった。
 当初、3月に成立した補正予算では、1人7000円相当のポイント付与が盛り込まれていた。だが4月26日に街頭演説に立った東村幹事長は、2024年度の都の税収が増える見込みから、「この7000ポイントを1万ポイントに拡充し、来年以降も年度予算の剰余金を活用しながら、物価高対策に全力を挙げたい」と強調した。

<月刊誌『第三文明』2025年7月号より転載(WEB向けに一部再編集しています)>

「特集 未来につながる政治」:
①大衆福祉を貫く公明党への期待(日本大学教授 末冨芳)
②東京の〝現在〟と〝未来〟を守る 都議会公明党の施策1(ライター 松田明)
③東京の〝現在〟と〝未来〟を守る 都議会公明党の施策2(東京都議会議員/都議会公明党幹事長 東村くにひろ)

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まつだ・あきら●ライター。都内の編集プロダクションに勤務。2015年から、「WEB第三文明」で政治関係のコラムを不定期に執筆。著書に、『日本の政治、次への課題』(第三文明社)がある。