青年」カテゴリーアーカイブ

連載対談 哲学は中学からはじまる――古今東西を旅する世界の名著ガイド

福谷 茂 + 伊藤貴雄

第1回 哲学を学ぶということ①~対談のはじめに

(対談者)
福谷 茂(京都大学名誉教授、創価大学名誉教授)
伊藤貴雄(創価大学文学部教授)

伊藤教授の研究室にて

編集部 福谷先生、伊藤先生、このたびは連載企画をお引き受けくださりまして、ありがとうございます。

 本企画は、中学生・高校生、また大学生から社会人まで、これから哲学を学ぶ人にとっての第一歩、入門編となるような対談企画です。

 福谷先生の読書ガイド『書海按針―学部学生のための読書ガイド―』(京都大学学術情報リポジトリ――KURENAI)は、多くの方に読まれ、哲学入門の手引として高く評価されています。
 福谷先生の熱意と膨大な本の知識を、哲学を学びたいと考えている方々に向けた「哲学入門」として活かせないだろうか――。そんな思いから、この連載の企画が始まりました。

 最初は「哲学に関する書評」をという漠然としたものでしたが、福谷先生から「中学生や中学の先生にもわかりやすいもの」、さらに「伊藤先生との対談形式なら深く、わかりやすく語ることができる」との提案をいただき、方向性も決まり、また本連載のタイトルも、「対談 哲学は中学からはじまる――古今東西を旅する世界の名著ガイド」と決まりました。

 また、福谷先生、伊藤先生のお二人とも、哲学を志すきっかけとなった読書体験を、それぞれの中学時代に遡ることができるとも伺っております。 続きを読む

茂木健一郎の人生問答~大樹のように 「東京五輪の聖火リレーを見て何を考えるか」

脳科学者
茂木健一郎

【質問】東京五輪の聖火リレーを見ていて本当に心が和み、嬉しくなります。沿道で見ている方が「希望がわきます」とおっしゃる理由がよくわかります。もちろん新型コロナ感染を考えると、密をつくるので心配ではありますが、私は続けてもらいたいと思っています。茂木先生はどのように思いますか。(埼玉県・27歳・女性)

感動はリレーされていく

 お書きになっていること、本当にそうだなあ、と思います。
 なかなか先が見えない日常の中で、東京オリンピックが56年ぶりに開かれることの意味を私たちは忘れてしまいがちです。しかし、このような苦しい日常だからこそ、希望のともしびが必要なのではないでしょうか。 続きを読む

歴史に学び志を持って生きる

萩博物館特別学芸員/至誠館大学特任教授
一坂太郎

 混迷する時代を生き抜くために、歴史から学ぶべきこととは何か。

学びの力に着目

 教育には人間や社会を変える力があります。歴史をひもとくと、学びの力によって世のなかを変えていった人物や集団の足跡をいくつも見つけることができます。明治維新の原動力となった幕末の長州藩もそうした好例の一つです。 続きを読む

18歳選挙権を考える――本質的な問題の解決が若者の政治参加を促す

立命館大学大学院特別招聘准教授
西田亮介

 ネット選挙や18歳選挙権によって、果たして若者の政治参加を促すことはできるのか。その背景にある本質的問題に目を向ける。 続きを読む

「2015年体制」と「潮止まり」の政治状況

立命館大学大学院特別招聘准教授
西田亮介

 政治に無関心ではやり過ごすことができない時代が目前に迫っている。 続きを読む