書評『これからの大学』――文化人類学者が語る「学問」

ライター
本房 歩

「あたりまえ」の外側へ

 政府の緊急事態宣言の対象が全国に拡大された翌日の4月17日、西日本新聞紙上で「人類学者のレンズ」と題する月1回の連載がはじまった。現在はネット上でも公開されている。
 執筆者は岡山大学文学部で准教授を務める松村圭一郎氏。専門は文化人類学である。
 氏は、郷里の熊本県で過ごしていた中学時代に、初めて福岡県の博多まで鉄道の一人旅をした時に、熊本と博多の雰囲気の違いを感じたことを振り返って、こう綴る。 続きを読む

都知事選で見えたもの―露呈した野党の実情

ライター
松田 明

公明との信頼築いた小池知事

 さる7月5日、東京都知事選挙がおこなわれ、現職の小池百合子知事が2期目への当選を果たした。

今回は公明党と自身が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」から実質的な支援を受けた。(「時事ドットコム」7月6日

 選挙戦がはじまる前から、各種メディアの調査では小池氏の「優勢」が予測されていた。
 フタを開けてみると、小池氏は前回2016年に獲得した291万2628票を大きく上回る史上2番目の366万1371票(得票率59・70%)を獲得し、2位以下を大きく引き離して圧勝した。 続きを読む

特集④ 民衆こそ社会の主人公――創価学会の政治支援活動

青山樹人

学会の政治参加の意義

 創価学会は宗教的に民衆を啓蒙するだけにとどまらず、苦悩する人々の側に立って、放置されていたさまざまな社会悪との闘争をも開始した。
 政治の光すら届かないところで呻吟(しんぎん)していた人々の目を開き、彼ら自身の手で、民衆の意思が政治を動かしていく時代を切り開いていったのである。
 とりわけ今日の現実社会にあって、教育、福祉、経済、環境、平和と、どの次元から見ても民衆の幸不幸に果たす政治の役割と影響力はあまりにも大きい。その政治に「人間へのまなざし」「高潔なモラル」を与えていくのが宗教の責務である。
 戸田会長時代、1955年の統一地方選挙を皮切りに、創価学会は民衆不在の既成の政治に警鐘を鳴らし、改革の狼煙(のろし)を上げた。
 不毛なイデオロギー対立に終始し、買収や供応が横行していた政界にあって、庶民による庶民のための政治を踏み出そうとした。 続きを読む

「家賃支援」申請開始へ――フリーランスにも給付金支給

フリーライター
松田 明

公明の提言が実った「家賃支援」

 新型コロナウイルス感染拡大で経営の危機に瀕している法人などを対象とした「家賃支援給付金」の実施が決定し、7月中旬からオンライン申請の受付がはじまる。
 法人対象としては、月額75万円の家賃までは3分の2を半年分一括で給付。75万円を超える月額家賃の部分は、超過分の家賃の3分の1(合計で月額上限100万円)が半年分支給される。
 最大で600万円となり、個人事業主にはその半額で最大300万円が給付される。
 じつは、「家賃支援」をめぐっては、与党内でも自民党と公明党で意見のズレがあった。
 当初、自民党は金融機関の融資と財政支援を組み合わせた形での制度を提案。

これに対し、公明側は現行制度や30日に成立した補正予算に盛り込まれた緊急経済対策でできる支援策の活用を優先し、家賃支援に取り組んでいる地方自治体を財政支援する案を示した。(「朝日新聞デジタル」5月1日

続きを読む

シリーズ:東日本大震災10年目「防災・減災社会」構築への視点 第2回 「3・11伝承ロード」構想(下)

フリーライター
峠 淳次

一見に如かず ~「道」を歩いて~

 着々と整備が進む伝承ロードの今を体験しようと、コロナ禍が本格化する前の3月初め、筆者も仙台市から宮城県気仙沼市へ、岩手県陸前高田市から釜石市へと「道」を北上し、いくつかの伝承施設を見て回った。 続きを読む