SGI結成から45周年――「世界市民の連帯」の原点

ライター
青山樹人

グアムの「小さな会議」

 SGI(創価学会インタナショナル)が結成されたのは、1975年1月26日のことである。
 結成の地となったのは太平洋に浮かぶグアム島。51ヵ国の代表が集っての第1回世界平和会議においてであった。
 グアム島は太平洋戦争の激戦地でもあり、米兵およそ1400人、日本兵およそ2万人が命を落としている。その小さな島から、池田大作・創価学会第3代会長(当時)は世界平和への新たな「民衆による潮流」を起こそうとしていた。
 代表たちが名前と国籍を記した記念の署名簿。池田会長は、自らの国籍欄に「世界」と記した。 続きを読む

SDGs「行動の10年」へ(下)――創価学会青年部の取り組み

ライター
松田 明

積み残された課題

 本日、我々が発表する17の持続可能な開発目標と169の関連づけられたターゲットは、統合され不可分のものである。このような広範でユニバーサルな政策目標について、世界の指導者が共通の行動と努力を表明したことは未だかつてなかった。持続可能な開発に向けた道を進むにあたって、すべての国や地域に進展をもたらすウィン・ウィンの協力と地球規模の開発のために我々が一つとなって身を費やすことを決めた。

 これは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の一節である。
 ちなみに、この2015年11月30日からは、COP21(第21回気候変動枠組条約締結国会議)がフランスで開催され、「京都議定書」(1997年)に代わる新たな気候変動に関する国際協定として「パリ協定」が採択された。
 前回述べたように、この国連サミットにおいて2016年から2030年までの国際目標として掲げられたのがSDGsである。 続きを読む

SDGs「行動の10年」へ(上)――「誰一人取り残さない」との誓い

ライター
松田 明

「持続可能な開発」とは?

 SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」と訳される。
「持続可能な開発」とは、「将来の世代の欲求を満たしつつ現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことだ。
 つまり、資源の有限性や環境破壊を無視して、現在の世代の欲求だけが満たされればよいという利己的な繁栄をめざすのではなく、子や孫、その先の子孫といった将来の世代に対しても公平な社会のあり方をめざす概念である。
 この「持続可能な開発」という概念が国際社会から注目されるようになったきっかけは、1987年に「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)が出した報告書『我ら共有の未来』だった。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流 特別編② 首里手の源流を探る

ジャーナリスト
柳原滋雄

日本と中国、どちらの影響を強く受けたか

 沖縄に伝わる伝統芸能の一つ、組踊(くみおどり)は、独特の抑揚で語るセリフと琉球舞踊、音楽の3つを組み合わせた沖縄版ミュージカルともいわれる。昨年は組踊の初演(1719年)から300年の佳節となり、さまざまな行事が開催された。
 組踊を創案したのは玉城朝薫(たまぐすく・ちょうくん 1684-1734)で、琉球王国の官僚であり、劇作家でもあった人物。若いころから薩摩藩に渡り、江戸滞在経験を持つなど日本文化への造詣が深かった。踊り奉行に任命された玉城は、江戸で見た浄瑠璃などを参考に組踊を創案。代表作の一つ「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」では後半、ある寺が舞台となる。沖縄の真言宗の寺とされる。
 重要なことは、沖縄と日本文化の関係は、一般に思われているよりも相当に古くから交流があったという事実だ。組踊が日本文化を参考にした面はともかく、仏教は日本本土経由ですでに13世紀には沖縄に入り、古神道も早くから入った。仏教では禅宗と真言宗が主流となり、神社も多くつくられた。
 食文化をみても、その交流の歴史は明らかだ。沖縄では昆布が取れなかったが、北海道の昆布が「北前船」を通じて沖縄に運ばれてきた歴史がある。 続きを読む

書評『世界の名画との語らい』――好評連載がオールカラーで書籍化

ライター
本房歩

聖教新聞外信部の挑戦

 新聞のクオリティーは、その「文化欄」を見れば分かるとしばしば言われる。
 本書は『聖教新聞』12面に2018年3月から現在も連載されている「世界の名画との語らい」をまとめたもの。
 言うまでもなく『聖教新聞』は創価学会の機関紙であるが、日本では読売、朝日につぐ発行部数を有する、大きな影響力を持った日刊の全国紙でもある。
 ただ、一般的に新聞の美術記事は学芸部か文化部が担当するのに対し、この「世界の名画との語らい」がユニークなのは、外信部が担っていることだ。 続きを読む