公明党と「政教分離」――〝憲法違反〟と考えている人へ

ライター
松田 明

憲法20条が成立した背景

 公明党のあり方は憲法20条に示された「政教分離」に反するのではないか? 宗教団体が政治に関与することは、そもそも違憲ではないのか? そのような主張が、今なおSNS上などでも見かけられる。
 これは、公明党や創価学会を好きな人も嫌いな人も、特定の信仰を持つ人も持たない人も含め、すべての人にとって重要な問題なので、ぜひ正しく理解してほしいと思う。
 日本国憲法第20条は、次のような条文だ。

1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 続きを読む

特集㊱ 世界の諸大学での講演――求められたSGI会長の英知

ライター
青山樹人

仏教とイスラムを結ぶ対話

 池田SGI会長とイスラム世界との対話も本格的に加速した。
 1992年3月、ハーバード大学のヌール・ヤーマン教授がSGI会長のもとに来訪。トルコ出身の世界的な文化人類学者である。
 93年にはハーバード大学文化人類学部長として、SGI会長の2度目のハーバード講演「二十一世紀文明と大乗仏教」の開催にも尽力している。
 両者はその後も対話を重ね、2007年に対談集『今日の世界 明日の文明――新たな平和のシルクロード』(河出書房新社)が刊行された。その後、世界各国で英語版、中国語版、フランス語版、マレー語版も刊行されている。 続きを読む

公明党はなぜ完勝したか――2021都議選の結果

ライター
松田 明

予測が外れた選挙結果

 都議会議員選挙が終わった。まず特筆すべきことは、マスコミの事前予測が大きく外れたという点だろう。
 投票日1週間前の6月27日の時点で、たとえば選挙区ごとの情勢分析をおこなっていた毎日新聞は、

 自民は獲得議席が50を超える可能性も出ている。前回選で複数候補を擁立して共倒れした選挙区でも、今回は支持を広げつつある。現有23議席の公明は全員当選を目指すものの、一部選挙区では苦戦している模様だ。(「毎日新聞電子版」6月27日

と報じている。分析は、毎日新聞とTBSテレビ、社会調査研究センターが共同で実施したものだった。
 他のメディアや情勢分析専門家らも、「自民優勢」「公明苦戦」「都ファ激減」という見立てが概ねだったと思う。
 NHKはじめ各メディアは、4日の20時に開票がはじまった時点でもなお、公明党に関しては3~7議席は失う可能性があるという厳しい見方をしていた。 続きを読む

芥川賞を読む 第6回 『背負い水』荻野アンナ

文筆家
水上修一

嫌みに感じるほどの「才気」は、否定しようがない

荻野アンナ著/第105回芥川賞受賞作(1991年上半期)

選考委員の酷評

 第105回の芥川賞は、前回取り上げた辺見庸の『自動起床装置』と萩野アンナの『背負い水』がダブル受賞となった。『文学界』(1991年6月号)に掲載された126枚の作品。
 さて困った。ちっともいいと思えないのだ。自らの精神の居場所を探し求めながら、男関係のなかで揺れ動く独身女性の心情を描いているのだが、読後、「だから、どうした?」と、ため息をついてしまったのだ。
 確かに、才気あふれる作家であることは、読み始めればすぐ分かる。けれども、例えば、そばに近づいて見ると確かにキラキラと部分的には輝いているのだが、離れて全体を見ようとすると、いったいどのような形状で何を表現しようとしているのかがつかめず、戸惑ってしまうのだ。 続きを読む

長嶺将真物語~沖縄空手の興亡 第14回 沖縄空手界の再統一へ

ジャーナリスト
柳原滋雄

ゆるやかな統一組織「沖縄空手道懇話会」

 全沖縄空手道連盟から国体競技に参加するために分かれた沖縄県空手道連盟。1980年代の沖縄空手界は組織が完全に二分されていた。87年に開催された沖縄海邦国体の空手競技では、沖縄県は念願の全国優勝を果たしたものの、両連盟の関係者は、双方顔を合わせても口をきかないといった関係が続いていた。
 こうした時期に、このままではいけないと考えた新聞人がいた。『琉球新報』の記者として20年以上勤め、そのころ、広告局に異動し、イベントを担当するようになっていた濱川謙(1940-)である。 続きを読む