コラム」カテゴリーアーカイブ

シリーズ:東日本大震災10年~「防災・減災社会」構築への視点 第6回 「日本版ディザスター・シティ」構想~一級の危機管理要員育成へ(中)

フリーライター
峠 淳次

世界最高峰の人づくり施設~TEEX防災キャンパス~

 米テキサス州にある世界最高峰の防災・危機管理訓練施設「ディザスター・シティ」(広さ約21万平方メートル)が作られたのは1997年。168人の命を奪った95年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件を受けて、大規模災害への包括的な対応訓練を行う施設として整備された。
 管理・運営しているのは、州立テキサスA&M大学の関連団体である「TEEX」(ティークス=Texas A&M Engineering Extension Service テキサスA&M大学技術学外事業)。ディザスター・シティに隣接する、これまた世界最大の火災訓練施設「ブレイトン火災訓練場」(48万5000平方メートル)や対策本部訓練センター(延べ3000平方メートル)も運営しており、これら3施設が建つ空間は「TEEX防災キャンパス」と呼ばれている。 続きを読む

特集㉟ 人権の闘士たちとの共闘――ネルソン・マンデラと池田会長

ライター
青山樹人

獄中で池田会長を知ったマンデラ

 1960年に創価学会第3代会長に就任した当時から、池田大作SGI会長は「21世紀はアフリカの世紀」と主張してきた。
 しかし、そのアフリカでは長い間、植民地時代の負の遺産としての政治の混迷や紛争が続き、とりわけ南アフリカ共和国では悪名高いアパルトヘイト(人種隔離政策)が継続されていた。
 人種差別撤廃運動のリーダーだったネルソン・マンデラは1962年に逮捕されて以来、獄中闘争を強いられていたのである。世界の心ある人々は「マンデラ釈放」を折あるごとに訴えたが、日本社会ではほとんど黙殺されていた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第116回 ゲンロン戦記

作家
村上政彦

 僕は、2011年の東日本大震災が起きてから間もなく、作家の先輩に声をかけられて『脱原発社会をめざす文学者の会』に入会した。というか、そのときはまだ、この会はなくて、その先輩たち、仲間と語らって、会を立ち上げた。
 設立時には、立派な会場を借りて、記者会見を開いて、僕も意見を述べた。それが確か2012年のことだ。それから会の活動が始まった。文学者の会なので、言葉と想像力で原発と対峙して、原発のない社会を構想し、築いていく。
 だから、安易に現実政治には関わらない。いや、会として、現実政治に関わったことは一度もない。会の活動は、専門家を呼んで原発について学び、会報やホームページで原発について発言し、年に一度は被災した福島を訪れた。そして、文学作品を書く。 続きを読む

シリーズ:東日本大震災10年~「防災・減災社会」構築への視点 第5回 「日本版ディザスター・シティ」構想~一級の危機管理要員育成へ(上)

フリーライター
峠 淳次

はじめに

 東日本大震災から10年が過ぎた。この間の復旧・復興の歩みを振り返るとき、改めて痛感するものに「地域社会における危機管理体制の未熟さ」がある。危機管理において最も重要とされる初動段階で対応に躓(つまず)き、被害を拡散させ、その後の復旧・復興の遅れを招いてしまった被災市町村は少なくない。
〝躓き〟の原因を首長のリーダーシップのみに求めるのは短絡に過ぎよう。問題はむしろ、実際に現場で危機管理に当たった市町村の担当部局職員や地元消防・警察などの力量不足にあったように思われる。学校、企業、病院、自治会などの住民組織も含め、災害の際に最前線で指揮、対応に当たる実戦部隊、つまりは危機管理要員のレベルアップが欠かせない。 続きを読む

共産党の〝実績〟を検証してみた――「都政がかじを切った」は本当か?

ライター
松田 明

共産党が主張する〝実績〟

 7月4日投開票の東京都議会議員選挙。
 今回、日本共産党がその〝実績〟の柱にすえて盛んに宣伝しているのが、「認可保育所の増設」というものだ。
 ピーク時の3割にまで退潮が続いていた共産党都議団が、前々回2013年の都議選で8議席から17議席に、前回17年は19議席に増えた。民主党政権が失敗に終わり、その後も迷走を続けたことで、行き場のなくなった不満票が共産党へ流れたのだ。
 都議会で条例等を提案するには議員定数(127人)の12分の1(11議席)以上の賛成者が必要。共産党は13年後半からようやく提案権を復活できた。
 これによって、〝共産党が都政を動かし認可保育所が大幅に増えた〟というのである。 続きを読む