コラム」カテゴリーアーカイブ

「創価の父」牧口常三郎(下)――世界に広がる実践と評価

ライター
青山樹人

創価一貫教育の夢を託す

 池田会長はローマクラブのホフライトネル名誉会長との対談のなかで、

 私たちの創価教育は、「社会のための教育」という視点を打ち破り、「教育のための社会」への転換を目指したのです。
 この教育観の原点は、牧口初代会長の思想にあります。牧口会長は、軍国主義教育が吹き荒れる最中にあって、「教育は子どもを幸福にするためにある」と敢然と叫んだのです。
 目の前の子どもの幸福を第一義とする――それが創価教育の眼目です。(『見つめ合う西と東』第三文明社)

と語っている。
 牧口の創価教育学説は、なによりも机上の論理ではなかった。現役の小学校長として子どもたちと触れ合い、そこで自身が実践して成果を上げてきた指導法を次世代に託したいという熱意のなかから生まれた。 続きを読む

「創価の父」牧口常三郎(上)――信念の獄死から75年

ライター
青山樹人

北海道初の地理科免許

 創価学会の初代会長であり、今や世界に広がる創価教育学の〝父〟である牧口常三郎。牧口が国家神道の強制を拒絶して投獄され、戦時下の東京拘置所の病監にその生涯を終えたのは1944年11月18日。
 本年(2019年)で満75年となる。
 牧口常三郎は1871年(明治4年)6月6日、眼前に佐渡を望む現在の新潟県柏崎市荒浜(当時は柏崎県刈羽郡荒浜村)に生まれた。幼名を渡辺長七といい、5歳の時に父の縁戚にあたる牧口善太夫の養子となった。
 ちなみに、奇しくもこの年は日蓮が佐渡に流罪(文永8年/1271年)されて600年にあたっている。 続きを読む

結党55年を迎えた公明党――「公明党らしさ」への期待

ライター
松田 明

大衆に根を張った政党

 2019年11月17日で、公明党は結党55年を迎える。
 結党された1964年は、日本が先進国としてOECD(経済開発協力機構)に加盟し、東海道新幹線が開業、東京オリンピックが開催された年であった。
 その2年前、前身である公明政治連盟の第1回全国大会に来賓として出席した党創立者の池田大作・創価学会第3代会長は、次のように挨拶した。

 最後の最後まで、生涯、政治家として、そして指導者として、大衆に直結していってもらいたい。偉くなったからといって、大衆から遊離して、孤立したり、また組織の上にあぐらをかいたりするような政治家には絶対になっていただきたくないのであります。大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のために戦い、大衆の中に入りきって、大衆の中に死んでいっていただきたい。(『公明党50年の歩み』

 この言葉は結党にあたって綱領に

大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく

という指針として掲げられた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第81回 世界は言葉でできている

作家
村上政彦

落書き禁止 「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」 違反者は、処罰されます。 見つけた人は警察に通報してください。/おおむらさきつつじ つつじ科/ここはみんなの公園です。うらに書いてあるきまりを守って、みんなでなかよく遊びましょう。/NO NIKE!! ナイキ 悪/ゴミは持ちかえりましょう/水を大切にしましょう/公園はみんなのものだ! PARK is OURS/フットサル場 使用上の注意 このフットサル場は、ゴムチップ入り人工芝を使用しています。きれいな緑と足にやさしい使用感をいつまでも保つため皆様のご協力をお願いいたします。/皆様のフットサル場です。大切に使いましょう。/フットサル場は平成22年4月末まで休場いたします。/防犯カメラ作動中/喫煙所/忘れ物・落とし物にご注意ください/ゴミ等はお持ち帰りください/カン・ビン ペットボトル その他のゴミ/さんごじゅ すいかずら科/れんぎょう もくせい科/渋谷区土木部/不審物を発見したときは、区役所の公園又は警察に連絡願います。なお、無届で集会等を開くことで、不法に占拠することを禁止します。/消えないで公園/荷物をあずけている方へこの倉庫に荷物をあずけている方は、布テープにマジックで名前を書いてください。名前のない荷物は4/19(月)に別の場所に移動します。/みんなのCAFÉ いらっしゃい/わたしたちは、以下の問題があると考え、反対しています。/企業の宣伝・営利に使われること。誰もが憩える公園でなくなること。手続きが不透明かつ非民主的なこと。渋谷区の目的が、公園からの一方的な「ホームレス排除」、街からの「スケーター排除」であること。わたしたちは、この計画の白紙撤回を求め、工事を着工させないために、デモなどを行い、現在テントを張っています。/落書き禁止 落書きは「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」により禁止されています。違反した場合には処罰されます。(後略)

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書評『世界宗教の条件とは何か』――創価大学での課外連続講座から

ライター
本房歩

創価学会の世界宗教化

 作家の佐藤優氏は、2017年9月から12月にかけて創価大学で計10回の「課外連続講座」をおこなった。本書は、その内容をまとめたものである。
 佐藤氏は日本基督教団に所属するプロテスタントのキリスト教徒であり、神学者でもある。
 一方で、佐藤氏は創価学会と公明党に深い関心をもち、この数年、精力的に関連の著述も重ねてきた。

 創価大学の創立者でもある創価学会の池田大作第三代会長を、深く尊敬しています。(『世界宗教の条件とは何か』/以下同じ)

 キリスト教徒である佐藤氏が、なぜ池田会長を尊敬し、これほど創価学会に強い関心を抱いているのか。連続講座の冒頭、氏はこの理由に言及する。

 いちばん強い要因を一つだけ挙げるとすれば、「創価学会の世界宗教化」という現象に対する関心です。

 いうまでもなく氏が信奉するキリスト教は、西暦313年のミラノ勅令によってローマ帝国の公認宗教となり、世界宗教となって久しい。
 ただし、そのプロセスは現代のキリスト教徒にとっても歴史書で学ぶしかない。 続きを読む