投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

特集⑯ ニセ法主の登座――疑惑の「4月15日」

ライター
青山樹人

「あんたはウソツキだ」

 創価学会の顧問弁護士でありながら、学会の乗っ取りを企て、水面下で日蓮正宗の反学会活動家僧侶と連携し、さまざまな謀略を重ねていた山崎正友。
 池田会長が辞任して迎えた本部総会の直後の5月14日、山崎は日達法主を動かして法華講大講頭の地位に就いた。
 総講頭であった池田SGI会長がその地位も降りて総講頭が不在となった今、山崎は大講頭として、同じく大講頭である北条会長と対等の立場となったわけである。
 おそらくこの瞬間、山崎はこの世の絶頂期を味わっていたことだろう。
 しかし、仏法破壊の因果は厳しい。この時期を境にして、山崎は一挙に破滅への坂を転がり落ちるのである。 続きを読む

特集⑮ 神奈川の海を見つめて――「共戦」と「正義」の揮毫

ライター
青山樹人

第3代会長を辞任

 池田会長を追い落とそうとする集中砲火のなかで、会長は泰然と未来を見据えていた。
「七つの鐘」が鳴り終わろうとする今こそ、21世紀へ向けて、いよいよ世界広宣流布の本格的な建設期に入らなければならない。
 4月12日、会長は元赤坂の迎賓館で来日中の鄧穎超氏と7カ月ぶりに再会した。故・周恩来首相の夫人であり、この折は全人代代表団の団長として衆参両院議長の招きで訪日していた。
 翌13日には、これまで何度も語らいを重ねてきた松下幸之助氏と会談。16日には、米国の前国務長官キッシンジャー博士の来訪を出迎えた。
「波浪は障害にあうごとに、その頑固の度を増す」――これは、若き日からの会長の座右の銘である。
 会長は、襲い来る障魔の大波をも、新しい時代の扉を開く好機に転じようとしていた。
 1979年4月24日の午後。テレビ、ラジオがいっせいに「池田会長が辞任へ」という速報を告げた。全国紙の各紙夕刊は一面でその出来事を大きく報じた。 続きを読む

書評『池田大作研究』――世界宗教への道を追う

ライター
本房 歩

「世界宗教化」が進む創価学会

 週刊誌『AERA』の43回にわたる連載に加筆して上梓されたもの。厚さ4センチ、全590ページ近い大部である。
 著者の佐藤優氏は周知のとおり元外務省主任分析官で、同志社大学大学院神学研究科を修了したプロテスタントの作家だ。
 1930年に創価教育学会として誕生した創価学会は、本年(2020年)11月18日で創立90周年を迎えた。
 単に日本最大の宗教運動であるのみならず、その支援する公明党は20年にわたって日本の政権の一翼を担っている。
 一方で、SGI(創価学会インタナショナル)は192カ国・地域に広がっている。ヨーロッパでは最大の仏教教団であり、たとえばイタリアSGIはカトリックの本場イタリアでも仏教教団として唯一、国家の公認宗教12宗派の1つとして認められている。
 創価学会は、すでに「世界宗教化」をはじめているのである。
 1世紀に満たない時間で、なぜこれほど社会に影響力をもたらす教団に発展できたのか。 続きを読む

特集⑭ 「七つの鐘」終了の年――隆盛で迎えた目標の佳節

ライター
青山樹人

「謹刻は謗法ではない」と法廷で証言

 1978年になって、日蓮正宗の反学会活動家僧侶たちが、創価学会の板本尊に難癖をつけて攻撃の材料に使いはじめた経緯は前回記したとおりである。
 すでに75年1月の時点で管長である日達自身が「会の宝物である本尊をどのように格護しようと問題はない」と明言しているように、本来、紙幅の本尊を板に謹刻することは本尊を大切にする行為であり「問題ない」ことなのだ。実際、宗門の末寺の本尊はすべて板に彫刻されている。
 反学会活動家僧侶らが、ことさらに学会の板本尊を問題視した背景には、寺院にある木製の板本尊を、あたかも信徒の受持する紙幅の本尊より〝格が上〟であるかのように見せたいという邪心があった。宗祖日蓮大聖人が一切衆生の幸福のためを願った本尊さえも、彼らは出家の権威を演出する道具としか考えていなかったのである。 続きを読む

書評『歪んだ正義』――誰もがテロリストになり得る

ライター
本房 歩

「普通の人」がテロを起こす

 話題の書籍である。まず、著者の略歴と本書が生まれた経緯を簡単に紹介しておこう。
 著者の大治朋子氏は1989年に毎日新聞入社。東京本社社会部を経て2006年秋から4年間ワシントン特派員。2013年春からエルサレム特派員をつとめ、2019年秋に東京に戻って編集委員となった。
 社会部時代には調査報道で2度の「新聞協会賞」と、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞している。
 この間、2017年夏から2年間休職して、イスラエルの大学院でテロリズムに関する研究生活を送り、テルアビブ大学大学院(危機・トラウマ学)を首席で修了した。
 治安当局にもマークされていない「普通の人」が、一匹狼(ローンウルフ)的にテロを起こすことは、世界的にも近年増加している。
 そこで「普通の人」がどのようなプロセスを経て過激化するのか、その「地図」を用意して共有しようと考えたのが本書執筆の動機であったという。 続きを読む