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『共産主義の誤謬』の著者が語る、日本共産党の欺瞞

歴史資料収集家
福冨健一

共産党の根底にあるもの

 このところ、選挙で日本共産党が議席を増やしています。しかしそれは、共産党への理解が深まったというよりもむしろ、多くの人が共産党の実態を知らないからだと私は見ています。それでは、共産党の実態とはいったいどのようなものなのでしょうか。
 共産党は1922年、コミンテルン(共産主義インターナショナル)日本支部として発足しました。要するに、旧ソ連の出先機関です。普通の政党は、自国の国民が自国を良くするために集団を形成します。共産党はそうではないのです。 続きを読む

書評『トランプ時代のアメリカを歩く』――冷静な筆致で綴られたルポルタージュ

ライター
松田 明

想定外の大統領選挙

 私たちは単なる想定外の〝悪夢〟を見ているのか。それとも、冷静に対峙すべき〝新しい時代の課題〟と向き合わされているのか。
 2016年11月8日。米国はもとより日本を含む諸外国のメディアの大勢は、史上初の女性大統領が米国に誕生することを確信し、その瞬間を固唾をのんで見守っていた。
 聖教新聞外信部副部長の光澤昭義記者も、民主党ヒラリー陣営の集まるニューヨークのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで、その時を待っていた1人である。
 だが、開票が進むにつれ、場内は異様な空気に包まれた。ホワイトハウスの第45代の主人となったのは、共和党のドナルド・トランプだった。 続きを読む

巨匠マファルバフが描く〝平和への寓話〟――映画『独裁者と小さな孫』

ライター
倉木健人

「アラブの春」で脚本を練る

 モフセン・マファルバフ監督はイラン出身。これまで各地の国際映画祭で50以上もの賞を受賞し、なかでもタリバン政権下のアフガニスタンを描いた「カンダハール」(2001年)はカンヌ国際映画祭エキュメニック賞に輝き、タイム誌が選ぶ歴代映画ベスト100にも選出された。 続きを読む

良識的な中間層の声を、いかに政治に反映させるか――【書評】『21世紀の自由論』(佐々木俊尚著)

ライター
青山樹人

ヨーロッパの普遍主義の終り

 話題の一書である。
 著者の佐々木俊尚氏については、今さら多くを説明するまでもないだろう。毎日新聞記者からフリージャーナリストに転じ、ITと社会の相互作用と変容をテーマに多彩な言論活動を続けてこられた。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『キュレーションの時代』(ちくま新書)など、今という時代の姿を見事に言語化してみせた著作は読んだ人も多いはずだ。 続きを読む

18歳選挙権を考える――本質的な問題の解決が若者の政治参加を促す

立命館大学大学院特別招聘准教授
西田亮介

 ネット選挙や18歳選挙権によって、果たして若者の政治参加を促すことはできるのか。その背景にある本質的問題に目を向ける。 続きを読む