ナチス」タグアーカイブ

『共産主義の誤謬』の著者が語る、日本共産党の欺瞞

歴史資料収集家
福冨健一

共産党の根底にあるもの

 このところ、選挙で日本共産党が議席を増やしています。しかしそれは、共産党への理解が深まったというよりもむしろ、多くの人が共産党の実態を知らないからだと私は見ています。それでは、共産党の実態とはいったいどのようなものなのでしょうか。
 共産党は1922年、コミンテルン(共産主義インターナショナル)日本支部として発足しました。要するに、旧ソ連の出先機関です。普通の政党は、自国の国民が自国を良くするために集団を形成します。共産党はそうではないのです。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第27回 まっとうに苦しむこと

作家
村上 政彦

 アウシュヴィッツ駅に到着すると、輸送されて来たユダヤ人は一列に並ばされた。その先にはナチスの将校が立っていて、優雅な仕草で右手の人差し指を左右に動かし(たいていは左に)、人々を選別していた。
 右に振られた者は右へ流れ、左に振られた者は左に流れる。フランクルが緊張していると、人差し指の動きが止まり、あちこち体を調べられ、あらためて右へ振られた。彼が人差し指の動きの意味を知ったのは夜のことだった。 続きを読む

アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所で何があったのか――映画『サウルの息子』

ライター
倉木健人

「ゾンダーコマンド」という仕事

 無名の新人監督の作品にして、2015年カンヌ国際映画祭でいきなりグランプリを獲得した、いま世界中の映画関係者にもっとも注目されている映画である。 続きを読む

ポピュリズム政治家と「気分」の政治の危険性

北海道大学大学院法学研究科准教授
中島岳志

日本維新の会などの動きにみる、日本政治の問題点とは何か。

「リスクの個人化」を目指す橋下徹市長

 現在の日本政治の対立軸について①リスクの個人化、②リスクの社会化、③リベラル(自由主義的)な価値観、④パターナル(干渉主義的)な価値観の4象限で考えてみましょう。 続きを読む