投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

国会閉会そして都知事選へ――潰し合いをはじめた野党

ライター
松田 明

コロナ禍と並走した国会

 6月17日、150日間の会期を終えて第201通常国会が閉会した。
 閉会中も新型コロナウイルスに関する委員会の閉会中審査を週1回開催することで、与野党が合意した。
 この国会が開会したのは1月20日。新型コロナウイルスの日本での最初の感染者が判明したのは、その4日前の1月16日だった。
 1月20日に横浜港を出港したクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号が香港に寄港したのが25日。下船した1名が陽性者だと判明するのが2月1日である。
 以後、新型コロナウイルスは日本を含む196カ国・地域に広がり、感染が確認された数は874万人余、死者は46万1665人(いずれも6月21日時点)となった。
 日本でも全国に緊急事態宣言が発令される異例の事態となったが、幸いにも欧米のような死者数に至ることなく最初のピークを乗り越えることができた。 続きを読む

書評『自分で「始めた」女たち』――全米30万部のベストセラー

ライター
本房 歩

ことばと姿を「見て」ほしい

 全米で30万部のベストセラーとなった本。
 邦訳は2019年に出版されたが、日本でもじわじわと評判が広がり、コロナ禍にある本年5月、11刷となった。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の日常にさまざまな影響を与えた。時差出勤やリモートの推奨など働き方も変わった。
 第2波、第3波の襲来が確実視されているなかで、緊急事態宣言が解除されたからといって、あっさり元の日々には戻れない。
 職を失った人や、これまでの職場を閉じざるを得なかった人もいる。
 また、子育てや家族の介護などをしながら働いてきた人々は、より大きな困難を強いられた。とりわけ、女性たちが抱えた負担は大きかっただろうと思う。
 本書は、自分で仕事を始めた女性たち112人を紹介するものだ。 続きを読む

シリーズ:東日本大震災10年目「防災・減災社会」構築への視点 第1回 「3・11伝承ロード」構想(上)

フリーライター
峠 淳次

 東日本大震災から9年以上が経過した。被災地では復旧・復興が進み、東北の太平洋沿岸には「新しい街」が相次ぎ誕生している。だが一方で、あの日の出来事は日々に後景へと引き、記憶の風化が懸念されている。〝次なる災害〟に向け、私たちは「千年に一度の大災害」に何を学び、その経験や教訓をどう生かしていくべきか。シリーズ「『防災・減災社会』構築への視点」と題し、発災10年目を迎えた被災の現場から考える。第1回は産学官民一体で取り組む「3・11伝承ロード」構想から。 続きを読む

特集③ 池田第3代会長の誕生――仏教史を塗り変えた60年

ライター
青山樹人

世界広宣流布への旅立ち

 池田大作氏が創価学会の第3代会長に就任して、本年(2020年)で60年になる。
 戸田会長亡きあとの創価学会を実質的に支えたのが、当時はまだ30歳の池田大作総務であった。
 1947年に19歳で戸田会長と出会い、創価学会に入会した青年は、ただ1人で苦境の中の師を守り、常に弘教拡大の突破口を開いて、75万世帯達成の推進力となった。
 1960年の5月3日、全会員の強い推挙の声を得て、32歳の池田総務が第3代会長に就任。奇しくも、日蓮大聖人が立正安国論を幕府に上呈し、本格的な宗教革命の狼煙を上げてより700年の年であった。
 そして、会長就任当時には百数十万世帯であった学会は、そこからの10年で750万世帯という日本最大の宗教団体に発展するのである。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第94回 いのちを刻む

作家
村上政彦

 木下晋を知ったのはNHKの特集番組だった。パーキンソン病に冒された老妻を鉛筆で描きながら、

人が壊れていくと、ひび割れた隙間から、魂が見えてくる

と呟いていた。それは、僕にとって深く印象に残る言葉だった。
 本屋をパトロールしていたら、木下晋の自伝があった。迷うことなく、レジへ持って行った。帰って読んでみると、期待にたがわずおもしろかった。まず、画家の半生がひとつの作品になっている。
 木下は、1947年に富山で生まれた。父はとび職で、母は知的障害があって、何度も家出して各地を放浪した。極貧の家庭に生まれた彼は、

ただ生き抜くため、画家としての人生を選んだ

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