僕は小説家としてデビューするまで、かなりいろいろなバイトをやった。雇うほうはバイトだとおもっていないかもしれないが、働いている僕は、小説を書くために生活費を稼いでいるのだから、それは正業ではなく、バイトでしかなかった。
だから、数日でやめた仕事もあったし、やりだしたらおもしろくて1年半続いた仕事もあった。
小説家としてデビューして、編集者から「3年頑張れば専業作家になれる」といわれた。まだ出版業がなんとか成り立っていた33年前のことである。いま作家デビューすると、編集者は最初に、「仕事を辞めてはいけない」と助言する。これは出版界の現在を見れば、当然のことだ。
好きなことを仕事にして、生活費を稼いで生きていくことは、誰もが見る夢。しかし夢を現実にするのは、そーとー難しい。僕の場合、小説を書くことと、そこから発生することが仕事になっているので、夢を叶えているといっていい。感謝をささげる人がいれば、素直に感謝したい。 続きを読む
