特集⑧ 周恩来との歴史的会見――米中ソをつないだ池田会長

ライター
青山樹人

一期一会の会見

 訪ソから2カ月半後の1974年12月2日、池田会長は再び中国を訪問した。この訪中で、コスイギン首相のメッセージは、会長から鄧小平副首相ら中国首脳に伝えられた。
 一触即発だった中ソの首脳間を、池田会長は民間人として結んだのである。
 このことについて、現在の駐日ロシア大使であるミハイル・ガルージン氏(発言当時は公使)は、こう述べている。

 旧ソ連と中国が難しい局面にあった時期に、池田先生はコスイギン首相から「ソ連は中国を攻めない」という言葉を引き出し、それを中国の指導者に伝えてくださいました。このことは、やがて歴史の上で実現しています。先生が中ソ間の関係改善にも大きな協力をしてくださったことを、私たちはよく認識しています。(『潮』2008年5月号)

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安倍政権の7年8カ月――国際社会はどう見たのか

ライター
松田 明

各国の評価に共通するもの

 安倍晋三首相が持病の再発によって、辞任の意向を表明した。
 2012年12月26日の第2次安倍内閣発足以来、歴代最長となる7年8カ月におよぶ長期政権であった。
 辞任の一報が世界をかけめぐると、各国首脳から即座にメッセージやコメントが相次いで寄せられた。
 体調悪化が理由ということもあるにせよ、日本の首相の辞任表明に対し、これほど各国の首脳や政府から親密なメッセージが発せられたことは、おそらく過去になかっただろう。 続きを読む

書評『逆転の創造力』――衆議院議員・岡本三成の等身大を描く

ライター
本房 歩

40歳でGSの執行役員

 2016年秋のアメリカ大統領選挙でトランプ氏がまさかの当選をしたときのこと。
 ドナルド・トランプという人物と、予想される政策をどう考えればいいのか、日本の政界にもメディアにも人脈や情報がなかった。
 このとき、注目を集めたひとりの国会議員がいた。公明党の岡本三成・衆議院議員である。
 日本の政界で岡本議員だけがトランプ氏と面識を持ち、実際に仕事をした経験があったからだ。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第98回 世界を変える美しい本

作家
村上政彦

 本が売れない、本が読まれない――出版関係の仕事をしているものでなくとも、この言葉は、もう、聞き飽きた。しかし、出版界の実態を見てみると、確かに、売れない、読まれないことは事実だが、それでも本に関わる仕事をしたい、という人がいる。
 最近、「一人出版」というやり方で、出版界に参入してくる人がいる。ほんとに1人で、あるいは数人で、出版社を営む。そういうところから出版される個性的な本は、コアな読者がいて、ある程度は売れる。つまり、読まれる。
 これは本屋も同じだ。ちゃんと目利きをして、自分が売りたい本で棚をつくり、主人の個性が際立っている本屋には、やはり、コアな買い手がいて、ある程度は売れる。つまり、読まれる。 続きを読む

特集⑦ 中ソ和解への「対話」――ソ連の扉を開いた池田会長

ライター
青山樹人

初訪中と初訪ソへ

 中国の周恩来総理は、「創価学会は民衆に基盤を置いた団体である」として1960年代初頭から注目し、のちに中日友好協会会長となる孫平化らに、学会についての情報収集を指示していた。松村謙三、高崎達之助、有吉佐和子といった親中派の人々からも、創価学会と池田会長への高い評価が周総理に伝えられていた。
 日中国交正常化を訴えた、学生部総会での勇気ある池田提言は、松村ら日中友好を望む人々に大きな希望を与えた。当時、中国は文化大革命の混乱の渦中にあり、米国の中国敵視政策に追随する日本政府の姿勢もあって、日中友好を口にすることそのものが非常に困難な情勢だったのである。 続きを読む