生命と意識、宗教は三位一体
2人の著名な科学者による話題の「サイエンス対談」である。
茂木健一郎は、クオリアを研究テーマとする脳科学者にして、作家、ブロードキャスター、コメディアンと多彩な顔を持つ。
対する長沼毅は、広島大学教授をつとめる辺境生物学者。じつはこの「辺境生物学者」というのは長沼がユーモアを交えて自称する造語らしい。というのも、長沼がこれまで研究対象としてきたのは、深海底や地底、北極、南極、砂漠、火山といった極限状態としての〝辺境〟に生息する微生物などだったからだ。その採取・研究のためには、もちろん本人がそうした〝辺境〟に足を運ばなくてはならない。
2006年に『日経サイエンス』誌上の対談で長沼に出会った茂木は、映画になぞらえて「科学界のインディー・ジョーンズ」と命名した。長沼は茂木がキャスターをつとめていたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演するなど、2人は互いに「親友」と呼ぶほど信頼関係を深めてきた。 続きを読む