「非核三原則」と公明党――「核共有」議論をけん制

ライター
松田 明

共産など「オール沖縄」の4連敗

 沖縄市長選挙が4月24日に投開票され、自民党と公明党が推薦する現職の桑江朝千夫候補が、玉城デニー知事らオール沖縄が立てた新人で前市議の森山政和候補(立民、共産、社民などが推薦)を1万票の大差で破って3期目の当選を果たした。

 同市は那覇市に次ぐ県内第2の都市。自公側は1月以降に行われた4市長選を全て制し、9月投開票の知事選に弾みをつけた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する「オール沖縄」勢力は4連敗で、玉城氏にとって大きな痛手となった。(「読売新聞オンライン」4月25日)

 これで今年に入って沖縄県内の市長選では、名護市、南城市、石垣市に続いて自公が推す候補が4連勝。
 一方のオール沖縄にとって、とりわけ4度目の敗北となった沖縄市は玉城知事の地盤でもある。選挙戦でも玉城知事は森山陣営の総決起集会や街頭演説などに登壇して、懸命に支援を訴えかけた。
 日本共産党の小池書記局長も最終盤で沖縄市入りし、「日米両政府言いなり市長では市民の声を届けることはできない」などと現職の桑江候補を批判した。
 だが、結果は桑江氏が2万9738票、森山氏が1万9649票。今年9月に予定されている沖縄県知事選挙で、玉城デニー知事に黄信号がともる結果となった。

〝炎上〟した立憲民主党の暴論

 沖縄市長選挙のあった24日、フジテレビの「日曜報道THE PRIME」に出演した立憲民主党の小川淳也・政調会長の発言が〝炎上〟した。
 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって、次のように語ったのだ。

プーチンを私、許すつもりはないし言語道断だと思ってます。しかしね、アメリカがこのミサイル防衛制限条約を一方的に撤廃したブッシュ政権の歴史。そして中距離核戦略を全廃したトランプ政権の歴史。そしてNATOの国境線がどんどんどんどん旧ソ連国境にまで及んできた歴史。そしてジョージアとウクライナにNATOに入れと言ったのは当時国防産業とかかわりが深かったチェイニーですからね。ブッシュ政権下の。
(中略)
そしてゼレンスキー政権も相当対ロシアに対しては強硬的な態度とってきましたからね。そういうことを議論しなくちゃいけない。
(4月24日放送「日曜報道THE PRIME」での小川淳也議員の発言)

 今般のロシアによるウクライナ侵攻については、国連の国際司法裁判所がロシアの主張を退け軍事作戦の即時停止を命令。ロシアによる武力行使は国際法上きわめて深刻な問題を起こしており、深く懸念していると発表した。
 軍事侵攻が国連常任理事国による一方的な領土の侵略であることは明らかで、3月2日(現地時間)に40年ぶりに開かれた国連総会の緊急特別会合でも、ロシアを非難し即時撤退を求める決議案が141カ国の賛成で可決されたばかりだ。
 どのような理由があっても他国の領土に軍事侵攻することなど許されることではない。既にいくつもの都市が地上から消滅し、数千人の非戦闘員が殺害されている出来事に対し、小川氏の主張は〝そもそも被害者側にも責任がある〟というものだ。
 党の政策立案をおこなう政務調査会長が、これほど筋の悪い話を生放送の討論番組でしたことに支持者からも苦情が殺到したのだろう。同じ立憲民主党の原口一博議員は翌朝、

「テレビ討論で押されっぱなしの立憲民主党幹部が情けなく腹立たしいです。負ける人をテレビに出さないでください。」とのメッセージが増えてきました。
 懸命に支持を広げてくださっている方々であればあるほど悔しい思いをされていると。(4月25日午前5時の原口一博議員のツイート

とツイートしている。
 外交・安全保障についてもお粗末なうえ、あいかわらず仲間内で足を引っ張り合う。この政党に政権を担う能力がまったくないことを露呈した〝炎上〟だった。

「非核三原則」を実現させた公明党

 ウクライナ情勢を受けて、安倍元首相ら自民党内の一部や日本維新の会からは、米国の核兵器を同盟国で共有する「ニュークリア・シェアリング(核共有)」の議論を求める声が上がっている。
 公明党の山口那津男代表は4月26日の記者会見で、核軍縮や核不拡散を進めてきた日本が政策転換することは日本の外交姿勢の信頼性を損なうことになると述べた。

公明党の山口代表は記者会見で、アメリカの核兵器を同盟国で共有する「核共有」について「岸田政権は非核三原則を堅持する姿勢であり、公明党も同様だ。日本は核兵器のない世界を目指してリーダーシップを取るべきだ」と述べました。(「NHK NEWSWEB」4月26日

 じつは日本の国是である「非核三原則」の成立には、公明党が決定的な役割を果たしている。
 この「非核三原則」という言葉が国会議事録にはじめて登場するのは、1967年12月の衆議院本会議での公明党の代表質問なのだ。米国施政下にあった小笠原諸島の返還にあたり、公明党は「非核三原則」を明確にするよう政府をただしたのだった。
 今年は沖縄返還50周年になるが、沖縄返還にあたっても最大の焦点となったのが、在沖米軍基地からの核兵器の撤去だった。
「沖縄国会」と呼ばれた1971年11月の衆議院特別委員会で、自民党は「非核三原則」を含まない返還協定を強行採決した。
 社会党と共産党はこれに反発して本会議を欠席する戦術に出たが、そのままでは自民党案が単独過半数で成立してしまう。公明党は不備欠陥の多い協定案に反対の立場をとりつつ自民党との合意形成に努め、核兵器の撤去、再持ち込みの拒否、米軍基地縮小についての国会決議を提唱した。
 その結果、自民党が大きく譲歩して返還協定の付帯決議に「非核三原則」を盛り込んだ決議となった。ちなみに日本共産党はこの国会決議をボイコットしている。
 今、ロシアによる核兵器の使用可能性さえ現実味を帯びて語られるなか、野党第一党の立憲民主党は支持者もあきれるほどの政策オンチ。自民党の一部や日本維新の会は「核共有」のタブーなき議論を主張する。
「非核三原則」という日本の国是を守り、国際社会の核廃絶への潮流を後戻りさせないためにも、公明党の存在がますます重要になっている。

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