投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

連載エッセー「本の楽園」 第115回 愛をばらまけ

作家
村上政彦

 大阪市西成区釜ヶ崎(あいりん地区)は、東京の山谷、横浜の寿町をしのぐ、日本でも有数の「ドヤ街」だ。戦前にはすでにスラム街ができていて、戦後になると日本中から日雇い労働者がやってきた。しかし、いまは2万人ほどの住民の40%以上が生活保護を受けている。
 西田好子が牧師を務める「メダデ教会」は、この付近にある。「メダデ」とは旧約聖書に登場する人物の名で、「愛があふれる」の意味だという。
 西田は68歳。小学校教師を辞めて、50歳で大学の神学部に入り、牧師となった。いざというときの資金を貯めるために、超節約生活を送っていて、食事はスーパーの特売品とパンの耳、風呂には入らないでポットの湯で体を拭く。 続きを読む

特集㉜ 宗教弾圧の構図——政治家と宗教者、メディアの共謀

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
→Amazon
→セブンnet
第三文明社 公式ページ
 

連載エッセー「本の楽園」 第114回 子供たちの国

作家
村上政彦

 子供のころ、町から大人がいなくなって、子供たちだけが取り残され、たがいに支え合いながら生きていく、という物語を読んだことがある。作品のタイトルも、著者も、忘れてしまった。
 そうか。アマゾンに訊けばいいんだ! ちょっと待ってください――。
 ありました。さすがアマゾン。『子どもだけの町』、ヘンリー・ウィンターフェルト。2004年の出版だから、新装版が出版されたのだろう。でも、いまは古本しかない。それが5280円! 高い。もう、今月は〇〇円も本を買ってしまったので、買うのは、やめる。
 それに今回取り上げるのは、この本ではない。スペインの作家アンドレス・バルバの『きらめく共和国』である。 続きを読む

特集㉛ 広宣流布の新しい扉——創価学会が御本尊を制定

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
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芥川賞を読む 第4回 『妊娠カレンダー』小川洋子

文筆家
水上修一

女性の身体感覚を、的確な文体で描き切る

小川洋子著/第104回芥川賞受賞作(1990年下半期)

現代社会の〝生の希薄さ〟

 第104回芥川賞の受賞作『妊娠カレンダー』は、タイトルから想像されるように、妊娠を題材とした観察日記形式の小説だ。だが、そこで描かれている妊娠には、祝祭的要素は何もない。新しい生命が誕生する感動も喜びもない。代わりに、妊娠という原始的で奇妙な生理現象に対する不安と恐れ、そして嫌悪のようなものさえ感じる。 続きを読む