コラム」カテゴリーアーカイブ

醜聞と不祥事が続く立憲民主党――共産との政権協力は白紙

ライター
松田 明

袖にされた日本共産党

 今夏の参院選について、立憲民主党は日本共産党との「政権協力」合意は見送り、1人区での候補者一本化も〝限定的〟におこなうことを決めた。
 両党は昨年の衆院選を前に、もし立憲民主党が過半数を獲得した場合の政権について、日本共産党と〝限定的な閣外協力〟をすることを党首間で合意していた。
 だが、野党第一党が国家観も憲法観も安全保障政策も異なる日本共産党と「政権協力」まで至ったことに有権者は失望。その結果、立憲民主党と日本共産党がそろって議席を減らし、立憲民主党は党創設の執行部が退陣する最悪の事態となった。
 新執行部を率いることになった泉健太代表は、共産党との「政権協力」は衆院選で終わった話という認識を示し、本年1月のNHK番組でも、

立民の政権を構成する政党には共産党は想定にない(「日本経済新聞電子版」1月9日

と明言。「政権協力」は既に存在しないという就任以来の見解を重ねて示した。 続きを読む

日本共産党と「情報災害」――糾弾された同党の〝風評加害〟

ライター
松田 明

IAEAがまとめた報告書

 4月29日、IAEA(国際原子力機関)は、東京電力福島第一原子力発電所が2023年に海洋放出を計画している「ALPS処理水」について、調査チームによる第1回の報告書をまとめた。
 福島第一原発では、原子炉内に事故で溶けて固まった燃料デブリが残っており、水をかけて冷却が続けられている。
 燃料デブリに触れた水は高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」になる。
 そこで、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」など、いくつかの除去設備を使用して浄化処理をおこなって、セシウム、ストロンチウムをはじめ大部分の放射性物質を取り除いている。
 こうしてできたものを「ALPS処理水」と呼ぶが、トリチウムだけは取り除けない。
 じつは、トリチウムは水素の仲間(同位体)であり、雨水や河川の水など自然界にも存在するものだ。 続きを読む

岸田首相に対して核兵器のない世界を強く諭したローマ教皇

中部大学教授
酒井吉廣

 令和4年5月3日、4日、岸田文雄首相はイタリア共和国及びバチカンを訪問し、4日にはローマ教皇フランシスの謁見を受けた。
 今回のローマ教皇と岸田首相との会談の内容は、将来の核兵器禁止条約を日本がどう扱うべきかを考えるのに重要だと理解したので、とても短い原稿になるが、寄稿した次第である。

日本政府と教皇庁で異なる岸田首相謁見の報道

 4日のローマ教皇との会談で日本政府の報道では、核兵器の廃絶に向けた両者の認識の一致とウクライナ情勢について岸田首相が語ったことになっている(「ローマ教皇フランシスコ台下への謁見・日バチカン首脳会談」外務省HP)。 続きを読む

三代会長が開いた世界宗教への道⑤――世界宗教へと飛翔する創価学会

ライター
青山樹人

新しい世界秩序を求めて

 それまでの冷戦構造が崩壊した1990年代以降、人類は新たな秩序を求めていた。世界の多極化とアイデンティティの揺らぎは、いたるところにナショナリズムや民族主義の不穏な火を放ちはじめていた。
 世界の指導者たちは池田先生との対話を求めた。90年代の10年間に会見した国王、大統領、首相だけで40人に及ぶ。
 また世界各国の著名な学識者たちは競うように池田先生の著作を読み、各国を代表する最高峰の大学や学術機関が講演を要請した。90年代に実現した講演だけでも次のとおりである。 続きを読む

三代会長が開いた世界宗教への道④――法主が主導した第2次宗門事件

ライター
青山樹人

西方出張所に集まった7人

 1990年3月。宗門は学会との相談なしに、いきなり法務に関する料金の値上げを発表した。本尊下付の2000円を3000円にしたほか、塔婆供養の冥加料を1000円から2000円に、大過去帳のそれを5万円から10万円にするという、2倍もの値上げだった。
 じつは、前年の3月に宗門は冥加料の値上げを打ち出そうとした。この時は、消費税導入の直後でもあり、便乗値上げと誤解されかねないと学会が難色を示した。すると宗門は、「じゃあ結構です」と値上げそのものを引っ込めた。そして1年後、今度は一方的に値上げを決定し、学会には事後通告してきた。
 この1990年は、大石寺の開創700年にあたっていた。
 学会では信徒の誠意として、この佳節を最大限に奉祝すべく、法華講総講頭でもある池田先生以下の首脳陣が陣頭に立って、委員会をつくり準備にあたってきた。静岡県男女青年部は大客殿前広場での慶祝記念文化祭を準備し、9月の開催に向けて、猛暑の季節、連日の練習に励んでいた。
 こうした学会員の宗門に尽くす真心の裏で、信じられない謀略が進められていた。 続きを読む