メディアが広めたウソが「事実化」してしまう
読者諸氏は、以下の話をおそらくどこかで耳にしたことがあるだろう。
〝1956年のアメリカの映画館で、広告業者がある実験を試みた。上映するフィルムの中に、3000分の1秒というごく短い間だけ、「ポップコーンを食べろ」「コカ・コーラを飲め」と書かれた画面を5分おきに挿入したのだ。 続きを読む
読者諸氏は、以下の話をおそらくどこかで耳にしたことがあるだろう。
〝1956年のアメリカの映画館で、広告業者がある実験を試みた。上映するフィルムの中に、3000分の1秒というごく短い間だけ、「ポップコーンを食べろ」「コカ・コーラを飲め」と書かれた画面を5分おきに挿入したのだ。 続きを読む
同世代(40代後半)の友人Tさんの話。最近、田舎の父親の物忘れがとみに激しくなり、帰省した折に地元の大学病院のもの忘れ外来に連れて行った。MRIなどの検査を行った結果、認知症であるかどうかの判断は「グレー」。口頭試問で行う検査では比較的高い点数をとったものの、レントゲン結果では、アルツハイマー型認知症患者に特有の脳の萎縮が見られたという。 続きを読む
生物学者・福岡伸一さんの著作は、どれも引き込まれるような名文と哲学的な視点で根強い人気を博している。そのなかの1冊、『動的平衡2 生命は自由になれるのか』(木楽舎)に、植物が動物に変わった瞬間の話が出てくる。この場合の〝動物〟というのは、<食べ物を探査し、追い求め、獲得する>(同書)ために自ら行動する生物である。 続きを読む
アルバイト店員らの〝不適切な画像〟がインターネット上にアップされ、批判や抗議が殺到して閉店や倒産に追い込まれるという事態があとを絶たない。
いうまでもなく、ここにきてなにも急に若者たちのモラルが低下したという話ではなくて、物理的に今までならその場に居合わせた仲間内での悪ふざけでしかあり得なかった行為が、ツイッターやフェイスブック、LINEといったSNSに載せることで、天下周知の逸脱行為に拡大し、次々と〝炎上〟に至っているわけである。 続きを読む