認知症」タグアーカイブ

認知症に悩む家族の心がけ――「車」と「火事」にご用心

ジャーナリスト
柳原滋雄

薬の適正な服用が前提

 認知症対策で大切なことをまとめた用語として「くくかか」がある。テレビ番組で紹介しているのをたまたま見たのだが、このまとめ方は要を得ていると感心したものだ。
 具体的には、最初の「く」は薬の服用、もう1つの「く」は車の運転、さらに「か」は金の管理、もう1つの「か」は火事対策だ。 続きを読む

【コラム】認知症を社会で支える体制を――65歳以上の高齢者4人に1人が認知症になる時代

ジャーナリスト
柳原滋雄

高齢者の4人に1人が認知症の時代

 高齢化社会の進展で、自分の身の回りに認知症の高齢者がいるのが当たり前の時代に入った。厚生労働省の調査(2012年)によると、全国の65歳以上の高齢者の15%にあたる約462万人が認知症と推計され、さらに認知症の前段階とされるMCI(軽度認知障害)の高齢者も約400万人いて、65歳以上の4人に1人が認知症あるいはその予備軍と見られている。問題は、今後こうした人々が社会的に急増すると予想されることだ。 続きを読む

【コラム】「大介護時代」を目前に控え

ジャーナリスト
柳原滋雄

介護離職が増えている

 同世代(40代後半)の友人Tさんの話。最近、田舎の父親の物忘れがとみに激しくなり、帰省した折に地元の大学病院のもの忘れ外来に連れて行った。MRIなどの検査を行った結果、認知症であるかどうかの判断は「グレー」。口頭試問で行う検査では比較的高い点数をとったものの、レントゲン結果では、アルツハイマー型認知症患者に特有の脳の萎縮が見られたという。 続きを読む

シリーズ 震災からの歩み<2> 東北を日本の先進地に――被災地の声を聞き、見えてきた未来へのヒント

東北学院大学准教授
金菱 清

 東日本大震災直後から、緻密なフィールドワークを続け、被災地の声を聞いてきた金菱清さん。そこから見えてきたものとは何か。

560頁、50万字に及ぶ被災者71人の言葉

 今から18年前の1995年、私は阪神・淡路大震災を経験しましたが、そのときの報道にとても疑問を持っていました。阪神高速道路やビルの倒壊、火災被害が甚大だった神戸市長田区の様子を鳥瞰するような視点ばかりだったことにものすごく違和感を感じていたのです。 続きを読む

【コラム】34歳男性、ひとりっ子の〝遠距離介護〟とは――新刊本『親ケア奮闘記』(横井孝治著)

フリーライター
前原政之

Webで話題の介護アドバイザーによる泣き笑い「介護体験記」を紹介。

エッセイの形を借りた〝親介護入門〟

 著者は「介護アドバイザー」で、親を介護する人のための情報サイト「親ケア.com」の運営者でもある。著者が介護の世界で働く契機となったのは、34歳の夏から両親の介護を経験したことであったという。 続きを読む