〝ワン・ビンの距離〟の奇跡
ワン・ビンは、世界で今もっとも注目されているドキュメンタリー映画の作り手の1人である。9時間を超える『鉄西区』(2003年)をはじめ、その作品は軒並み、各国の映画祭で高い評価を受けてきた。
最近では、貧村に暮らす姉妹を撮った『三姉妹~雲南の子』(2012年)も、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリ、リスボン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなど、いくつもの国際的な栄誉に浴している。 続きを読む
ワン・ビンは、世界で今もっとも注目されているドキュメンタリー映画の作り手の1人である。9時間を超える『鉄西区』(2003年)をはじめ、その作品は軒並み、各国の映画祭で高い評価を受けてきた。
最近では、貧村に暮らす姉妹を撮った『三姉妹~雲南の子』(2012年)も、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリ、リスボン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなど、いくつもの国際的な栄誉に浴している。 続きを読む
精神分析医で評論家の斉藤環氏は、近著『ヤンキー化する日本』で、日本社会と〝ヤンキー文化〟の親和性を述べている。
「ヤンキー」とは言うまでもなく不良少年少女を指すわけだが、斎藤氏は
<むしろ、彼らが体現しているエートス、すなわちそのバッドセンスな装いや美学と、「気合い」や「絆」といった理念のもと、家族や仲間を大切にするという一種の倫理観とがアマルガム的に融合したひとつの〝文化〟を指すことが多い>
と解説する。
それはひとことで言えば、論理や理想よりも「気合いとアゲアゲのノリ」で突き進むことを美しいと感じる文化である。 続きを読む
インドは世界一の「映画大国」だ。長編と短編を合わせて、年間に2000本近い作品が公開されている。なかでもヒンディー語映画の一大制作拠点になっているのが、アラビア海に面した西海岸の都市ムンバイ。1995年まではボンベイと呼ばれていた街で、いつの頃からかムンバイの映画産業界もしくはインド映画そのものを指して、ハリウッドをもじった「ボリウッド(Bollywood)」というネーミングが定着した。
日本でも、1998年に公開された『踊るマハラジャ』が大ヒットとなったし、2013年も『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』が話題になっている。 続きを読む
4年ごとに行われる中学校の教科書採択が直近で行われたのは2011年。このときの採択は、新しい歴史教科書をつくる会(いわゆる「つくる会」)から分裂した育鵬社版の歴史・公民教科書を採用した地区が増えたことで知られる。 続きを読む
昨年(2013年)11月、宮内庁は「今後の陵と葬儀のあり方」を発表し、1680年の後水尾天皇から続いていた天皇・皇后の土葬を、4世紀ぶりに火葬にあらためるとした。歴史的ともいえる変更は天皇・皇后両陛下の意向を受けたもので、日本社会で火葬が一般的になったことと、陵墓を少しでも簡素化するためというのが理由であった。 続きを読む