社会」カテゴリーアーカイブ

多様性ある市民社会づくりに取り組む「きょうとNPOセンター」

きょうとNPOセンター 常務理事・事務局長
野池雅人

 現在、NPO法人の数は全国で4万8000(平成26年1月1日現在、内閣府ホームページ)を超える。社会的な認知度が高まる一方、被災地支援NPOによる復興資金の着服など、その不透明さを問う声も少なくない。今後NPOはどう変わるべきなのだろうか。

「NPO」を支えるNPO

 私たち「きょうとNPOセンター」は、まちづくり活動を行う団体(以下、NPO)の支援を通じて多様性ある市民社会づくりを目指す組織です。
 設立のきっかけは1995年に起こった阪神・淡路大震災でした。まだNPOという言葉が生まれていない時代でしたが、全国からボランティアが被災地に集まり、何とか皆の力で町を立て直そうとしていたのです。 続きを読む

子育てを頼り合える社会にするために

株式会社AsMama 代表取締役CEO
甲田恵子

「頼り合える子育て」の環境づくりをすすめる「AsMama(アズママ)」。顔見知り同士が安心して気兼ねなく子育てをシェアできる仕組みとその可能性とは。

ワンコインからの「子育てシェア」

 私たちAsMamaがすすめる「子育てシェア」とは、かつては当たり前だった近所付き合いを、今の時代に合わせてチューニングしたものです。簡単にいえば、「子育ては頼り合うほうがいい」ということを知っていただき、参加してもらう活動を行っています。 続きを読む

著者インタビュー『日本人はなぜ存在するか』

愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科准教授
與那覇 潤

 著書『日本人はなぜ存在するか』で示した再帰性の観点が、ナショナリズムが台頭しつつある今の日本になぜ必要なのか。與那覇氏に話を聞いた。

――著書『日本人はなぜ存在するか』のテーマである「再帰性」の考え方はなぜ必要なのでしょうか。

 再帰性とは、「われわれは単に現実に存在するものを認識しているというより、逆に認識を通じて現実を作り出している」という視点のことです。わかりやすいように、まずは個人と世界の関係で例を出せば、夕焼けが赤く見えるのは太陽自体が赤いからなのか、私の網膜にそれを「赤く見る」性質があるからなのか。後者の観点を取るのが再帰性の立場です。 続きを読む

冤罪を根絶するため刑事裁判の改革を徹底させていきたい

弁護士/元法政大学大学院教授
木谷 明

※この記事は『第三文明』2012年4月号に掲載されたものです。

検察官主導の裁判に問題点がある

 日本の刑事司法を概観したとき、大きな特徴として検察官の権力が強大すぎることが指摘できます。事実上、検察官が刑事裁判をコントロールしてきたといえます。
 刑事裁判において検察官の主張がすべてをリードし、裁判官はそれを追認して有罪認定をするという構造が恒常化してしまっていることが問題です。その結果、もっとも避けなければいけない冤罪が生まれてしまっているといえます。 続きを読む

平和に向けた政策提言活動を続ける――命を見つめる視点忘れない

日本リザルツ代表
白須紀子

飢餓と貧困の根絶を

 私たちリザルツは、アドボカシー活動(特定の政策を実現するために社会的な働きかけをすること)を行っている国際市民グループ(NGO)です。私たちの活動の目指すところは、民意の反映された国際援助を実現し、いまだ世界に存在する飢餓と貧困の根絶を最優先とする〝政治的意思〟の確立です。 続きを読む