コラム」カテゴリーアーカイブ

「平和安全法制」から6年――「戦争法」と騒ぎ立てた人々

ライター
松田 明

昭和47年の「政府見解」

 平和安全法制関連2法(以下「平和安全法制」)が公布されて、この9月30日で6年が経つ(2015年9月30日公布)。
 当時、北朝鮮による核開発のエスカレート、中国の海洋進出など、東アジアの国際情勢は緊迫していた。
 日本がまだ民主党政権下にあった2012年8月、すでに米国は「第3次アーミテイジ・ナイ・レポート」で、第1次、第2次に重ねて、日本の集団的自衛権行使の禁止が日米同盟の深化の構築の妨げになっていると警告していた。
 冷戦構造はその20年以上前に終わっており、米国や英国は日本に対し、国際社会の枠組みに合わせて、いわゆる〝フルスペックの集団的自衛権〟を容認するよう求めてきたのだった。 続きを読む

暴力革命方針に変更なし——民主党時代も調査対象

ライター
松田 明

※写真は、民主党政権時代の枝野官房長官(当時)

知れ渡った「敵の出方論」

 日本共産党の志位委員長は、9月8日の第3回中央委員会総会で、同党のいわゆる「敵の出方論」について、

 この表現は使わないことを、中央委員会総会の決定としても、明確にしておきたいと思います。(『しんぶん赤旗』9月9日

と述べた。方針を撤廃するのではなく、あくまで〝表現は使わない〟らしい。
 最近にわかに注目を浴びている、日本共産党の「敵の出方論」とは何か。
 日本共産党は1951年の第5回全国協議会で「武装闘争」方針を決定。翌52年、札幌で警官を射殺した「白鳥事件」、皇居前広場で群衆が暴徒化した「血のメーデー事件」、名古屋で火炎瓶を持った数百人が暴徒化した「大須事件」などを引き起こした。
 この一連の凶悪事件をうけて、同じ年につくられたのが「破壊活動防止法(破防法)」であり、公安調査庁なのだ。 続きを読む

長嶺将真物語~沖縄空手の興亡 第17回 番外編②(シリーズ最終回) 長嶺将真の弟子群像

ジャーナリスト
柳原滋雄

草創期の主な弟子たち

 戦前、まだ庭先など屋外で稽古するのが普通だった空手の世界で、長嶺が泊(とまり、那覇市)に建てた屋内道場は当時としては珍しいものだった。戦後は牧志(まきし、同市)の仮道場で「松林流」の看板を初めて掲げ、1954年に久茂地(くもじ、同市)に戦後沖縄で初となる大規模な空手道場を開いた。
 終戦直後に師事した弟子たちの多くは戦前から稽古を共にした間柄だった。その筆頭格の一人が久志助恵(くし・じょけい 1909-1978)で、長嶺とは同じ那覇商業学校の同期生だった。沖縄角力(すもう)の名手で、新聞などへの執筆活動も行った。長嶺道場の「右腕」となった人物である。
 一方、「左腕」といえるは、古武道に優れていた喜屋武真栄(きゃん・しんえい 1912-1997)だ。久志と同じく、長嶺道場の脇士として長嶺を支えた。教職員組合のリーダーで、沖縄の本土復帰時には参議院議員に当選し、政治的にも活躍した。 続きを読む

宗教を蔑視する日本共産党——GHQ草案が退けた暴論

ライター
松田 明

目障りな宗教を攻撃する

 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が、日本共産党の動きに警鐘を鳴らしている。
 このところ同党は機関紙誌で、創価学会の人事への憶測記事や、公明党支援を非難する記事のほか、あきらかに宗教的価値観に立ち入って揶揄する類の記事を相次いで掲載しているのだ。

 共産党は今、かつての「言論問題」の頃のように、創価学会・公明党に対する〝政教一体〟批判を強めようとしているのだと思います。言い換えれば、共産党は公明党に〝価値観戦争〟を仕掛けてきているのです。(『第三文明』9月号

 共産党は〝厳格な政教分離を〟という大義名分のもと、創価学会攻撃を強めているのです。もちろん、創価学会の公明党支援が憲法の政教分離原則に抵触しないことは言うまでもないことです。(同)

 日本国憲法第20条は「信教の自由」を定め、それを担保するために「政教分離の原則」を示している。この「政教分離」は英語では「Separation of Church and State」と表現され、文字どおり「教会と国家の分離」を意味している。〝政〟は「政治」や「政党」ではなく「国家」なのだ。 続きを読む

わたしたちはここにいる:LGBTのコモン・センス 第1回 相方と仲間:パートナーとコミュニティ

山形大学准教授
池田弘乃

以下、私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である。読者にあらかじめお願いしたいことがある。第一に、固定観念や先入観を捨てて、理性と感情を働かせて自分で判断をくだしていただきたい。第二に、人間としての真の品性を身につけていただきたい。いや、保っていただきたい。第三に、現在のことにとどまらず未来にまで視野を大きく広げていただきたい。(トマス・ペイン『コモン・センス』、角田安正訳、光文社、2021年、52頁)

「性」に関する常識をアップグレード

 あるカップルのことをお話ししたい。1987年生まれ、同い年の2人はつきあって5年目。1人はシステムエンジニアとして働き、もう1人は介護施設に勤めている。喧嘩もするが仲の良いこのカップルには夢がある。2人で子どもを育てたいという夢が。
 しかし、この夢へのハードルはかなり高いのが日本の現状である。なぜなら、この2人は男性同士のカップルだから。 続きを読む