重い出来事をサラリと書く軽やかな文体から、温もりと余韻が生まれた
瀧澤美恵子著/第102回芥川賞受賞作(1989年下半期)
読者と共に、芥川賞作品を読んでいこう
芥川賞は、無名もしくは新進作家の純文学作品に与えられる文学賞だ。現在は、五大文芸誌(文学界・群像・文藝・すばる・新潮)に掲載された作品から選ばれることが多い。
これまで、石川達三、井上靖、松本清張、吉行淳之介、遠藤周作、石原慎太郎、大江健三郎、村上龍、宮本輝など、日本文学界を代表する作家を生み出してきた。けれども、太宰治や村上春樹など、受賞を逃した著名な作家も多い。 続きを読む