連載エッセー「本の楽園」 第106回 ニートの覚悟

作家
村上政彦

 今の世の中は生きづらすぎる。自分がわかいときはものはなかったが、こんなに窮屈じゃなかった。
 人にはそれぞれ、自分に合った履き物がある。
 なのに、今は既製品の靴に、無理に足を押し込んで履いている。
 だから、歩いているうちにすぐ足が痛くなる。それじゃダメだ。
 靴に足を合わせるんじゃなく、足に靴を合わせなきゃいけない。
 昔わらじを自分で編んだように、自分に合わせた履き物を作る。
 そうすれば、足は傷つかず、どこまでも歩いていける。
 自分専用のわらじをじっくり作る、そのための時間と場所が必要だ

 これは和歌山県の山中にニートやひきこもりの居場所をつくったNPO法人『共生舎』の代表・山本さんの言葉だ。 続きを読む

特集㉒ 〝法滅〟の法主——黒い歴史を背負った日開と日顕

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
→Amazon
→セブンnet
第三文明社 公式ページ
 

シリーズ:東日本大震災10年~「防災・減災社会」構築への視点 第4回 つながる語り部たち(下)~コロナ禍を超えて~

フリーライター
峠 淳次

近代人にとってこの災害が耐えがたいのは、それに対抗して『する』ことがないということではないだろうか。

 新型コロナウイルス禍に関して、劇作家の山崎正和氏が昨年(2020年)夏の逝去の直前、雑誌『中央公論』7月号に寄せた論考の中の一節である。事実、悪疫の世界的流行(パンデミック)という異質の災害下、私たちは「外出しないこと」「集まらないこと」を心掛けるばかりで、「行動『する』こと」「何かを『する』こと」を罪意識にも似た思いで控えている。こうした事態に、「現場で活動『する』」「生の声で伝承『する』」「人々と直(じか)に接触『する』」ことを真髄とする東日本大震災の被災地の語り部たちは、どう立ち向かってきたのだろうか。苦闘する語り部たちの姿を福島の地に追った。
(冒頭アイキャッチ画像:口演する青木代表=「富岡町3・11を語る会」提供) 続きを読む

特集㉑ 鉄鎖を断ち切った師弟の息吹——各国首脳がSGIに注目

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

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長嶺将真物語~沖縄空手の興亡 第11回 空手の琉球処分(上)

ジャーナリスト
柳原滋雄

2年前から始まった前史

 1979年4月、八木明徳(1912-2003)は「全沖縄空手道連盟」の第7代会長に就任した。
 沖縄空手の〝本流〟の組織として1956年に知花朝信(1885-1969)を中心に設立された「沖縄空手道連盟」はその後1967年に改組され、「全沖縄空手道連盟」と名称変更していた。その後の会長職(任期2年)は、ほぼ四天王(長嶺将真、比嘉祐直、上地完英、八木明徳)が持ち回りで担ってきたが、八木にとってはこのときが2度目の会長就任だった。
 それから2年後の1981年8月、沖縄空手界は長嶺将真(1907-1997)を中心に新設された「沖縄県空手道連盟」と、八木の残る「全沖縄」に真っ二つに分裂する。 続きを読む