在日バッシングと生活保護バッシングに通底するもの
在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチ(憎悪表現)をくり返す右派系市民グループの台頭と、いわゆる「生活保護バッシング」の激化が、ほぼ時を同じくして起きた。このことは、偶然とは思えない。2つの動きの担い手たちが人員的にどれくらい重なっているかはわからないが、心情的には同根だと思うからだ。 続きを読む
在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチ(憎悪表現)をくり返す右派系市民グループの台頭と、いわゆる「生活保護バッシング」の激化が、ほぼ時を同じくして起きた。このことは、偶然とは思えない。2つの動きの担い手たちが人員的にどれくらい重なっているかはわからないが、心情的には同根だと思うからだ。 続きを読む
奈良の墨職人を訪ねたアメリカの著名な現代美術家が、その墨を作る工程に驚いたと、あるインタビューで語っていた。
墨とは、いうまでもなく書道の際に硯(すずり)の上で摩る、あの黒い塊のことである。煤(すす)に香料を混ぜ膠(にかわ)で固めて作る。できあがった墨は、新聞紙を敷いた箱に並べて乾燥させる。毎日毎日、その新聞紙は取り替えられ、奇妙なことに、墨がすっかり乾いた後も、その作業が半年にもわたって続くというのだ。 続きを読む
米国の雑誌『WIRED(ワイアード)』の編集長で、「ロングテール」という概念の提唱者でもあるクリス・アンダーソンは、その著書『フリー/〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(NHK出版/高橋則明訳)の中で、次のように述べている。
「今日、市場に参入するもっとも破壊的な方法は、既存のビジネスモデルの経済的意味を消滅させることだ。つまり、既存ビジネスが収益源としている商品をタダにするのだ。すると、その市場の顧客はいっせいにその新規参入者のところへ押しかけるので、そこで別のモノを売りつければよい」
これが「フリーミアム」を指していることは、いまでは言うまでもない。 続きを読む
子どもの基本的人権を保障するためにつくられた『子どもの権利条約』には、「締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する」とある。この条約は1989年に国連総会で採択され、その5年後に日本も批准した。
当時、日本ではバブル経済が崩壊し、長い不況に入りつつあったが、まだ「貧困」という言葉とは無縁だと思われていた。ところが、日本の子どもの貧困率は、1985年の時点で10.9%。実に10人に1人が貧困に陥っていた。以来、子どもの貧困率は上昇を続け、2009年には15.7%となった。 続きを読む