第86回 正修止観章㊻
[3]「2. 広く解す」㊹
(9)十乗観法を明かす㉝
⑥破法遍(14)
(5)中道正観の破法遍③
③正しく中観を修す
次に、第三段の「正しく中観を修す」段について説明する。中観は正面から無明を破るものである。最初の空観は真(空)を観察するものであり、次の仮観は仮を観察するものである。仮観は、ただ空の智慧を観察して、不空にさせ、一心において万行を一つひとつ指し示し、法眼を生じて、くまなく薬と病を知るので、仮観と名づけるとされる。空観と仮観の二観が惑を破るとき、これを智と名づけるが、今、中道をながめると、二観の智慧(二諦の智慧)は逆に惑になってしまう。この惑は中智(中道の智)を妨げる智障となると示される。 続きを読む