共産党「実績横取り」3連発――もはやお家芸のデマ宣伝

ライター
松田 明

公安調査庁の調査対象

 統一地方選の前半戦で、現有議席の4分の1を失うという大敗北を喫した日本共産党。今もなお日本国憲法とは全く相いれない「社会主義・共産主義」への体制転換を党綱領に掲げる〝革命政党〟だ。
 もちろん日本は民主主義国家なので、思想や主義主張は自由である。問題はその主義主張を実現させるための手段なのだ。
 公安調査庁は公式サイトに「共産党が破防法に基づく調査対象団体であるとする当庁見解」を掲載。日本共産党が今なお「暴力革命の可能性」を捨て切っていないと判断し「破壊活動防止法に基づく調査対象」としていることを公表している。
 そして日本共産党と言えば、他党の〝実績横取り〟がもはや常態化している。実際にはやってもいないことを「共産党が実現!」と宣伝する。一般企業なら一発アウト事案だろう。
 やり方はきわめて巧妙で、額面通りに宣伝を見聞きしていると騙されてしまう。では、彼らがどんなふうにやるのか、直近で問題視された3つの例を見てみよう。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第151回 百閒の『御馳走帖』

作家
村上政彦

 内田百閒は、夏目漱石の弟子筋の作家だ。漱石の弟子というと、まず、芥川龍之介の名が挙がるが、百閒にはコアなファンがいる。僕もそのうちのひとりである。小説や紀行もおもしろいが、僕にとって『御馳走帖』は、頭ひとつぬけておもしろい。
 理由は、僕が食べることが好き(グルメとはいわない)だからだが、この随筆には、単においしい料理が並んでいるだけではない。どのような時世に、誰とテーブルを囲んだか――そういうところまで、微細に書かれているので、食を通じて社会の動静や作家の生活が分かる。
 冒頭の「序にかえて」は、昭和二十年七月の日記の抄録だ。たとえば――

七月三十日 月曜日 二十二日ノ朝以来ズット御飯ノ顔ヲ見ズ

 敗戦直前の物資が不足している時期なので、団子にする配給の粉もなくなり、あとには澱粉米と大豆が少しあるばかり。何とか食料を工面しなくてはとおもっていたら、近所の家の子供が誕生日とかで、細君が赤飯のお裾分けをもらってきた。赤飯といっても、小豆がないので、紅の色をつけただけの赤飯。しかし、なんといっても米には変わりない。 続きを読む

書評『生き直す 免田栄という軌跡』

ジャーナリスト
柳原滋雄

死刑台から生還した免田栄に関する記録

 刑事裁判でいったん死刑判決が確定した死刑囚が、その後再審申請が認められて無罪となって帰還したケースは本書で取り上げられた免田栄(めんだ・さかえ 1925-2020)を筆頭に4人いる。いずれも1975年の「白鳥決定」を受けて、83年の「免田事件」、84年の「財田川事件」「松山事件」、89年の「島田事件」の各死刑囚の無罪判決が再審法廷で確定したことによる。
 その後、日本の刑事司法は反動の流れに向かい、5件目はなかなか生まれなかった。ところがここに来て袴田巌(はかまた・いわお 1936-)死刑囚の再審請求が東京高裁で認められ、東京高検が最高裁に特別抗告を行わなかったため、ことし中に再審の審理が始まる予定となった。30数年ぶりの5例目の無罪ケースとなることが予想され、再審のあり方が再び脚光を集めている。日本の司法界に一筋の光がさしたかのようだ。 続きを読む

『摩訶止観』入門

創価大学大学院教授・公益財団法人東洋哲学研究所副所長
菅野博史

第9回 発大心(3)

[4]四弘誓願

 『摩訶止観』における四弘誓願(しぐぜいがん)の名称は、「顕是(けんぜ)」の箇所に出るのではなく、十乗観法の第二「起慈悲心」(あるいは発真正菩提心)の箇所に、「衆生無辺誓願度、煩悩無数誓願断」(大正46、56上11~12)、「法門無量誓願知、無上仏道誓願成」(同前、56上29)と出る。 続きを読む

共産の惨敗が際立つ統一前半戦――牙城の京都でも落選相次ぐ

ライター
松田 明

前回に続き「野党統一候補」が落選

 4月9日、統一地方選挙の前半戦が終わった。
 投票箱が閉まった午後8時、北海道や神奈川、福井、大阪、鳥取、島根などで、早々と現職知事の再選が確定した。
 このうち唯一、与野党が全面対決する構図となって注目されたのが北海道知事選。現職の鈴木直道氏(無所属)を自民、公明、新党大地が推薦し、元立憲民主党衆議院議員の池田真紀氏を立憲が推薦、共産、国民、社民、市民ネットが支持した。
 北海道は全国でも野党勢力が強かった地域だ。結果は鈴木氏が169万2436票。池田氏の47万9678票の3倍をはるかに上回る大差で圧勝した。立憲民主党は前回に続いて「野党統一」候補で敗北した。 続きを読む