【コラム】「デマの回復不可能性」について――情報の「質」を見極めるリテラシー

フリーライター
前原政之

メディアが広めたウソが「事実化」してしまう

 読者諸氏は、以下の話をおそらくどこかで耳にしたことがあるだろう。

〝1956年のアメリカの映画館で、広告業者がある実験を試みた。上映するフィルムの中に、3000分の1秒というごく短い間だけ、「ポップコーンを食べろ」「コカ・コーラを飲め」と書かれた画面を5分おきに挿入したのだ。 続きを読む

多様性を承認する「トポス」と宗教が果たす役割

北海道大学大学院法学研究科准教授
中島岳志

多様性が担保される社会のかたちとはどのようなものか。

民主主義における「多数者の専制」

 フランスの思想家トクヴィルは『アメリカのデモクラシー』という本で、デモクラシー(民主主義)にとっていちばん重要なのは国家と個人の間のアソシエーション(中間的組織)だと強調しました。労働組合や社会団体、宗教団体といったアソシエーションへの参加を通じて、自分とは違う他者の考え方を尊重し、合意形成していくパブリック・マインド(公について考える気持ち)が醸成されていくのです。 続きを読む

【2014新春座談会】日本・韓国・中国のこれからを語る

脳科学者・茂木健一郎
現代美術家・宮島達男
明治大学法学部助教・金惠京
日本学術振興会特別研究員・三浦瑠麗

 日中韓の東アジアの関係では批判的な声ばかりが目立つが、アジアの時代を迎える中で東アジアの安定はより一層重要性を高めていく。批判ではなく提案と行動で、2014年の東アジアのビジョンを描き出す。 続きを読む

【コラム】「大介護時代」を目前に控え

ジャーナリスト
柳原滋雄

介護離職が増えている

 同世代(40代後半)の友人Tさんの話。最近、田舎の父親の物忘れがとみに激しくなり、帰省した折に地元の大学病院のもの忘れ外来に連れて行った。MRIなどの検査を行った結果、認知症であるかどうかの判断は「グレー」。口頭試問で行う検査では比較的高い点数をとったものの、レントゲン結果では、アルツハイマー型認知症患者に特有の脳の萎縮が見られたという。 続きを読む

【コラム】日本人を魅了し続ける「かぐや姫」――私たちは、どこから来て、どこに行くのか

フリーライター
青山樹人

1000年前の『E.T.』

 スタジオジブリの最新作『かぐや姫の物語』が、封切り最初の土日だけで22万2822人を動員し、順調な滑り出しを見せた。
 これから映画を観る人も多いだろうから、ここでは映画そのものには触れないことにして、この作品の原作となった古典『竹取物語』について、少し考えてみようと思う。 続きを読む