コラム」カテゴリーアーカイブ

「反知性主義」の風潮を憂う~慰安婦問題・南京事件めぐって

ジャーナリスト
柳原滋雄

「反日」の言葉が跋扈する時代

 「売国奴」「亡国」「反日左翼」「日本を貶めるな」――。こんな言葉がふつうに目にされる時代になった。特に昨年8月、朝日新聞が韓国での慰安婦狩りを証言した吉田清治氏に関する記事を取り消してからというもの、その傾向が急速に強まり、紙媒体である右派系メディアで、冒頭のような言説があふれるようになった。 続きを読む

安倍政権の「目玉」政策の一つ――道徳教科化への動き

フリーライター
草野 亘

加速する道徳教科化への動き

 第2次安倍内閣は「アベノミクス」と呼ばれる経済再生政策とともに、「教育再生」も重要政策に掲げている。その目玉の1つが「道徳の教科化」だ。これまで教科ではなかった道徳を「特別の教科」と位置付け、教科書も作り、生徒たちを道徳という尺度で測る何らかの評価も行われることになる。 続きを読む

キリスト教徒の論客が読み解く「平和の党」支える哲学――書評『創価学会と平和主義』

ライター
青山樹人

誰が日本の平和を守ったのか

 当代きっての論客である著者の佐藤優氏は、日本基督教団に所属するプロテスタントのキリスト教徒であることを公言している。同志社大学神学部ならびに同大学院神学研究科修士課程を修了して外務省に入省。在ロシア日本大使館勤務、国際情報局分析第1課主任分析官を経て、作家活動に至っている。
 佐藤氏はこの『創価学会と平和主義』(朝日新書)の「あとがき」で、こう綴っている。 続きを読む

2015年始動。山口代表が放った先制パンチ

ライター
青山樹人

安倍首相の新年記者会見

 2015年1月5日午後、伊勢神宮に参拝した安倍首相は神宮司庁内で記者会見を開いた。
 会見で原発再稼働や憲法改正、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備について考えを問われた安倍首相は、慎重な言い回しをした。 続きを読む

2014総選挙――国民は賢明な判断を下したか

ライター
青山樹人

右傾化を拒絶した有権者の判断

 第47回衆議院議員総選挙が終わった。
 翌朝、読売新聞は「自公圧勝325議席」、産経新聞は「自公3分の2超 圧勝」と大見出しを打ち、朝日新聞は「自公大勝 3分の2維持」、毎日新聞だけは「自民微減291議席」と出した。テレビも各局ほぼ同じように「与党圧勝」というトーンで報じたように思われる。 続きを読む