コラム」カテゴリーアーカイブ

参院選直前チェック② 当選した「野党統一候補」はどこへいくんだ?

松田 明

「合意は知らない。党の決定でもない」

 6月7日、民進党、共産党、社民党、生活の党の野党4党が、SEALDsなどが母体となる市民連合との間で、「安保法案廃止」など7月の参院選に向けた政策協定に署名をした。
 共産党の志位委員長が「歴史的」と自賛する野党共闘。昨年9月に「国民連合政府」構想をぶちあげた共産党は、参院選1人区で予定候補を次々に取り下げ、32のすべての1人区に「野党統一候補」を擁立することを主導してきた。
 ところが、政策協定署名からわずか2日後の6月9日、BSフジの番組に出演した民進党の前原誠司・元外相は、

 合意したことを知らないし、党の決定ではない。

と驚くべき発言をした。 続きを読む

参院選直前チェック① イギリスの「後悔」は対岸の火事ではない

ライター
松田 明

離脱派が「ウソ」を認める

 国民投票で「EU離脱」を決定した英国で動揺が広がっている。
 事前の世論調査などでは「残留」派が勝つとの予測でほぼ一致していたのが、ふたを開けてみれば51.9%対48.1%で、「離脱」が過半数になってしまった。
 そして、その結果判明直後に英国内でグーグル検索されたワードのランキングが、世界中に新たな衝撃を与えた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第11回 ノーブック・ノーライフ(出版社篇)

作家
村上政彦

老舗の出版社の社長が、ある会合で挨拶をした。売れる本を出したい――一言でいうと、そういう話だった。僕は、溜め息が出た。彼を責める気持ちはない。多くの社員の生活を支える立場からすれば、仕方のないことだ。
しかも大手の出版社となると、社員は高給取りである。聞いたところでは、20代の後半で大台(年収1000万)に乗る会社もあるらしい。しかし――。 続きを読む

めざすべき政権像を示せないまま「安倍政権打倒」を叫ぶ無責任――民進党の迷走(下)

ライター 
松田 明

手段と目的を履き違えた政党

 政治は、国民の信頼があってはじめて成り立つ。我々はかつて、国民の信頼に十分応えることができなかった。

 これは民進党の「結党宣言」の一文である。
 民進党は、民主党に維新の党や、維新の党から分裂したばかりだった改革結集の会などが合流して2016年3月に結党された。
 維新の党そのものが日本維新の会の分派や、みんなの党の分派の結いの党からなる政党で、くっついては罵り合って別れるという抗争を繰り返してきた者たちだ。 続きを読む

空疎なパフォーマンスに終わった内閣不信任案提出――民進党の迷走(上)

ライター
松田 明

1年ぶりに5割を超えた内閣支持率

 5月31日の衆議院本会議で、民進、共産、社民、生活の野党4党が共同提出した安倍内閣への不信任案が、124対345の圧倒的多数の「反対票」で否決された。
 民進党の岡田代表は5月27日の記者会見で「出さない理由を見つけることは難しい」と述べ、30日に共産党などに共同提出を呼びかけていた。 続きを読む