出版」タグアーカイブ

連載エッセー「本の楽園」 第11回 ノーブック・ノーライフ(出版社篇)

作家
村上政彦

老舗の出版社の社長が、ある会合で挨拶をした。売れる本を出したい――一言でいうと、そういう話だった。僕は、溜め息が出た。彼を責める気持ちはない。多くの社員の生活を支える立場からすれば、仕方のないことだ。
しかも大手の出版社となると、社員は高給取りである。聞いたところでは、20代の後半で大台(年収1000万)に乗る会社もあるらしい。しかし――。 続きを読む

葦の髄から時評vol.13 加害者の「手記」を読んで――なぜ〝希望〟を紡ぎ出そうとしないのか

ジャーナリスト/編集者
東 晋平

とてつもなく残念だ

 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者が、「元少年A」名義で手記を出版した。かつて山下彩花ちゃんの遺族の手記出版にかかわった者として、やはり目を通さないわけにはいくまいと思い、発売翌日に読んだ。
 感想は「とてつもなく残念だ」というほかない。 続きを読む