コラム」カテゴリーアーカイブ

連載エッセー「本の楽園」 第118回 文学とマーケティング

作家
村上政彦

 文学にマーケティングは必要か?
 まず、マーケティングとは何か?
 本書によれば、

マーケティング=稼ぐ力

である。さらに言い換えると、

マーケティングとは、需要に対して、供給すること。

 そして、マーケティングの目的は、

その集団、あるいは個々人の〝理想の状態〟を維持すること。

〝理想の状態〟とは、分かりやすくいえば「幸せ」のことだ。本書は、このマーケティングを1枚のシートで理解して極めるために書かれた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第117回 マルジナリアでつかまえて

作家
村上政彦

 本の「余白」のことを英語で「マージン」という。「マルジナリア」はそこから派生した言葉で、本の余白に書き込まれたもののことだ。先日、作家の先輩の誕生会をZOOMでやった。
 参加したのは、小説家、文学研究者、エッセイスト、翻訳者たちで、本をきれいに読むか、汚して読むかが話題になった。汚して読むというのは、書き込みをしたり、傍線を引いたり、目印にページの端を折ってdog ear(ドッグ・イアー=ページ上部につける折り目)をつくったりすることだ。全員が汚して読む派だった。
 読書は作者との対話だ。マルジナリアは、作者の文章、そこに込められた思考などによって、読み手の心に浮かんだ思い=応答だ。書き込みをしない読み手は、応答はあっても、それを記録に留めない。それはもったいないと思う。 続きを読む

書評『この社会の歪みと希望』――政治の現実を動かしていく方途とは

ライター
本房 歩

雨宮と佐藤の〝共通項〟

 〝異色〟の対談集である。
 雨宮処凛は、作家で活動家。10代で不登校や家出を経験したのち、20歳で右翼の活動に参加する。ロックバンドのボーカルでもあり、そのいでたちから「ミニスカ右翼」と称された。
 しかし、2006年からは一転して革新・左派系論壇に活動の場を移し、「反貧困ネットワーク」世話人など、格差・貧困の問題に取り組み続けている。2007年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版)が日本ジャーナリスト会議賞を受賞。
 佐藤優は、同志社大学大学院神学科を修了したプロテスタントのキリスト教徒。外務省に入省し、在英大使館、在ロシア大使館の勤務のあと、主任分析官として対ロシア外交に携わったインテリジェンス(諜報)の専門家。いわゆる鈴木宗男事件に連座するかたちで逮捕起訴され有罪判決。外務省を失職し、作家として旺盛な言論活動を続ける。 続きを読む

ワクチン接種1億回突破――デマや陰謀論には警戒を

ライター
松田 明

有効性が高いワクチン接種

 河野太郎・行革相は8月10日の閣議後記者会見で、日本国内での新型コロナウイルスのワクチン接種が1億回を超えたことを発表した。
 このうち、65歳以上の高齢者では、1回目の接種を終えた人が3120万8726人で高齢者人口の87.9%。2回目まで終えた人は2944万1332人で83.0%にまで達した(8月11日時点)。
※「首相官邸ホームページ」ワクチン総接種回数・内訳
 日本のワクチン接種回数は、フランス、イギリス、ドイツを抜いて世界全体でも5位にまで上昇。日本より多いのは中国、インド、米国、ブラジルで、いずれも日本よりはるかに人口が多い国だ。 続きを読む

特集㊳ 歴史に特筆されるペンの闘争――人間革命の宗教を実証

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
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青山樹人

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