お金について考えることは人生を考えること――20代、30代のライフ・プランニング

ファイナンシャル・プランナー
中村芳子

「カード」「保険」「住宅」――20代、30代のライフ・プランニングを考える

お金を稼ぐことは社会貢献

 若い方からお金に関する相談を受けるとき、私はお金の価値をポジティブに認めることの大切さをお話ししています。世の中にはお金はなんとなく汚いものであり、お金に興味を抱くことが、何かはしたないことであるかのようなイメージがあります。しかしお金は、私たちが商品やサービスという「価値」を社会に提供することで得られた正当な対価です。つまり「たくさんお金を稼ぐ人」は、世の中にたくさんの価値を創造し、大きな社会貢献をしていると考えることもできるのです。 続きを読む

【コラム】犬の散歩から考えた幸福論――「幸せの種」のありか

フリーライター
前原 政之

「どんなときに幸せを感じるか?」

「人間が不幸なのは、 自分が本当に幸福であることを知らないからである。 ただそれだけの理由によるのだ」

――ドストエフスキーの『悪霊』の一節である。
「しあわせの青い鳥」を探す旅に出たものの、つかまえることができず、家に帰ったら昔から飼っていたキジバトが「しあわせの青い鳥」に変わっていた、というメーテルリンクの戯曲を思い出す。
 幸せは遠くに求めるべきものではなく、なにげない日常生活の中にこそある。しかし、多くの人はその幸せに気づくことができない。……などと言うと、お坊さんの法話のようなクサイ人生訓めいてしまうが、最近私はしみじみ「ほんとうにそのとおりだ」と思っている。 続きを読む

【コラム】1万年のレッスン――〝ニッポン〟が秘める価値

ライター
青山樹人

世界を驚かせた日本人の姿

 ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんは、日本で覚えた「もったいない」という言葉を、環境保護の智慧を含んだキーワード「Mottainai」として世界に発信した。
 2009年のラマダン(イスラムの断食)期間中にサウジアラビアで放映された『ハワーティル(改善)』というテレビ番組は、たちまち同国の人々を釘付けにし、シリア、ヨルダン、エジプト、イラクなど周辺のアラブ諸国でも反響を呼んだそうだ。
 この番組は、学校で生徒たちが掃除をする、時間を正確に守る、順番に並ぶ、落ちていた財布を交番に届けるといった日本人の振る舞いを、驚きをもって紹介しながら、自分たちの社会も日本を模範に〝改善〟していこうという内容だ。 続きを読む

活動・情報・資源の拠点「若者センター」の設置を

放送大学教養学部教授
宮本みち子

 若者の孤立は「意識の問題」ではなく「社会構造の変化」によってもたらされた──と警鐘を鳴らす宮本みち子氏に、新たな若者支援のあり方を聞いた。

若者を支えていた社会構造の崩壊

 近年、貧困や晩婚、非正規雇用など若者が抱える問題が浮き彫りとなっています。その原因について考えるとき、世の中では、フリーター(転職を繰り返す若者)やニート(急いで働きたがらない若者)などの言葉に代表されるように、若者の「意識の変化」だと受け止められているようです。しかし現在の若者をとりまく問題のほとんどは、「社会構造の変化」を原因としています。 続きを読む

今、私たちが宮沢賢治から学ぶこと

法政大学教授
王敏

 支え合う社会の構築に向けて日本人に求められるものとは何であろうか。宮沢賢治研究の第一人者・王敏氏が、日本人が忘れかけている〝日本人〟を語る。

宮沢賢治の不屈の探求心

 情報化社会の中で、現代人は探求心が薄れてしまいました。それどころかあまりにも多すぎる選択肢を前に戸惑いが生じ、目眩を起こしてしまっています。
 宮沢賢治の時代は、ものが少ない時代でした。少ないから選択する力が生まれ、探究心も芽生えます。その点では、ものに溢れた現代と比較した場合、逆に幸せな時代であったといえるかもしれません。 続きを読む