投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

再び、野合と分裂に走る野党――「新党結成」の迷走と波紋

ライター
松田 明

それでも低迷する野党支持率

 3月12日に決裁文書書き換え問題に関する財務省の調査結果が明らかになった。朝日新聞社が直後の17日、18日におこなった電話による全国世論調査では、安倍内閣の支持率は第2次安倍内閣の発足以降で最低の31%という数字になったという。 続きを読む

書評『「本を売る」という仕事』――全国100書店を歩いて見えてきたもの

ライター
本房 歩

「幸福書店」の閉店

 この2月、〝本〟にまつわるニュースがいくつか駆けめぐった。
 東京・代々木上原駅前の書店「幸福書房」が、2月20日に閉店した。1977年に創業し、80年から同地に移転。近隣に住む作家の林真理子氏は、駅前にこの本屋があるのを見たことが、ここに転居を決めた理由の一つだったと述べている。
 林氏のブログなどにたびたび登場するほか、ここで林氏の本を買うと書店が預かって林氏のサインをもらっておいてくれることもあり、真理子ファンの〝聖地〟でもあった。
 家内経営していくには経営者が高齢になったことや、テナントとの契約が切れたことなどが閉店の主な理由には挙げられているが、やはりなんといっても書店の経営そのものが厳しい時代に入っているのだ。 続きを読む

福岡生命理論は組織論、芸術論へと展開する――書評『動的平衡3』

ライター
本房 歩

「生命」とは何か

 生物学者・福岡伸一氏の名著『動的平衡』シリーズの第3弾
 2009年に刊行された『動的平衡』、11年に刊行された『動的平衡2』は、最先端の生命科学の知見と芸術への深い教養、巧みな譬喩に満ちた流麗な文体が話題となり、累計25万部を超すベストセラーとなってきた。
 その〝福岡生命理論〟は、いよいよこの第3弾で、組織論、芸術論にも拡張していく。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第47回 読む時間

作家
村上政彦

僕は中学生のころにレイモン・ラディゲを読んでいた。彼は夭折した天才作家なのだが、学校は嫌いだったようで、授業を抜け出し、湖に浮かべた小舟に寝そべって本を読むのが日課だったらしい。
このくだりを読んだとき、羨ましいとおもった。僕も学校は嫌いだったし、本を読むのは好きだった。でも、近所に手頃な湖はなく、まして寝そべることのできる小舟などなかったので、学校の保健室のベッドで本を読んだ。 続きを読む

世界最大の叙事詩――書評『マハーバーラタ』

ライター
本房 歩

壮大な空想の戦闘記

 古代インドで成立した「マハーバーラタ」は、10万余の対句から構成され、世界最大の叙事詩と言われている。
 古代ギリシャの「イーリアス」「オデュッセイア」と共に〝世界三大叙事詩〟と称えられ、インドにおいては「ラーマーヤナ」と並ぶ二大叙事詩とされてきた。

 物語は、パーンドゥ家とクル家の王子たちによるバーラタ王朝内の争いを軸に、数多くの人物の性格描写や事件の記述を通じて、人間の強さと弱さ、高貴さと卑劣さ、美しさと醜さなど、人間にまつわる古くて新しい普遍的なテーマを展開させている。(第三文明選書『マハーバーラタ(上)』訳者まえがき)

 ストーリーの概要を書くだけでも何千字も費やしそうな大長編だ。とくに中盤から始まる大戦争の描写は、昔も今も人々の想像力をかき立て、強い衝撃を与えてきた。 続きを読む