某大手書店の偉い人と会食をしたとき、「文学は売れません」と断言された。分かってはいたが、読者にいちばん近い現場の人に言われて、あらためてがっかりした。しかしその人は続けて、「ところが茨木のり子は売れるんです」と言う。
茨木のり子は詩人だ。僕も名前は知っているし、何篇かの詩は読んだ記憶があった。ただ、日本において、詩は、小説よりも、さらに売れないジャンルである。海外では、詩が売れる国もあると聞く。
しかし、日本では、詩が売れる、と聞いたことはない。僕は、茨木のり子に関心を持った(そりゃそうでしょう)。そして、家に帰って書庫にあった彼女の本を探した。『詩のこころを読む』という本があった。 続きを読む






