投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

スペシャリストが揃う参議院公明党③――里見りゅうじ議員(愛知選挙区)

ライター
松田 明

「働き方改革」に大きく貢献

 3つの法律の話をしたいと思う。
 まずは2018年の国会で成立し、19年4月から施行がはじまっている「働き方改革関連法」。長時間労働の是正や、短時間・派遣労働者の待遇改善、同一労働同一賃金、障がい者就労支援、ブラック企業対策などが盛り込まれた法律だ。
 2016年8月の第3次安倍内閣で働き方改革担当大臣のポストが新設され、9月に創設された「働き方改革実現会議」が10回の会議を経て実現計画を策定。18年の国会に内閣提出法案として出された。
 連立与党・公明党で、この法律の成立に大きな役割を果たしたのは、2016年7月の参院選で初当選したばかりの里見りゅうじ議員だった。
 新人議員が重要な役割を担えたのは、里見議員がたぐいまれな労働行政のプロフェッショナルだったからだ。 続きを読む

書評『防災アプリ特務機関NERV』――ホワイトハッカーたちの10年

ライター
本房 歩

気象庁からの粋なコメント

 3年前の「防災の日」である2019年9月1日、ITベンチャー企業であるゲルヒン株式会社が「特務機関NERV(ネルフ)防災アプリ」をリリースした。
 知っている人は知っていると思うが、「ゲルヒン」「特務機関NERV」の名称は、じつは人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の組織名だ。
 1995年に放送されたこのアニメは、西暦2000年に起きた大災害後の世界を舞台に、14歳の少年が国連の非公式組織NERVの命を受け、人型兵器エヴァンゲリオンを操縦して謎の敵「使徒」と戦うというもの。「ゲルヒン」は作中でNERVの前身となっている国連直轄組織の名前である。
 アニメのなかでは、特務機関NERVは2010年にゲルヒンを発展させて設立されたことになっている。
 そのアニメの組織名を冠した民間企業が、やはりアニメの組織名を冠した防災アプリを開発したわけだが、リリースに際して気象庁は次のような異例のコメントを寄せた。 続きを読む

パンデミック宣言から2年――公明党が果たした役割

ライター
松田 明

厚労省にワクチンの予算確保を促す秋野公造議員(2020年7月参議院予算委員会)

「今年は公明党の存在が重要」

 WHO(世界保健機構)が新型コロナウイルス感染症のパンデミック宣言(2020年3月11日)を出して2年になる。
 現時点で、日本国内での感染者の累計は560万人を超え、死者は2万5721人に達している。(3月10日23:59時点のNHKまとめ)。
 この2年間で既に東日本大震災を上回る死者が出ていることになる。あらためてご冥福を祈りたい。
 それでも先進主要7カ国(G7)のなかで、日本は死亡者数、致死率すべてでもっとも低く抑えられてきた(NHK「世界の感染状況」)。
 ワクチン接種は3回目の追加接種が国の大規模接種センターや各地の自治体ではじまっている。2回までの接種を終えた人の人口に占める割合では、日本は約80%。韓国、中国に次いで世界に3番目の高さだ(NHK「世界のワクチン接種状況」)。 続きを読む

芥川賞を読む 第15回 『豚の報い』又吉栄喜

文筆家
水上修一

沖縄の生命力あふれる傑作

又吉栄喜(またよし・えいき)著/第114回芥川賞受賞作(1995年下半期)

ほとんどの選考委員が絶賛

 第114回から新しい選考委員3名が加わった。池澤夏樹と石原慎太郎と宮本輝だ。それぞれ独自の文学観をもつ3名の選考委員が、どのような作品をどのように評価し、また評価しないのか、選評を読むのが楽しみだ。
 その第114回の芥川賞を受賞したのは、当時48歳だった又吉栄喜の「豚の報い」。『文学界』(1995年11月号)に掲載された約162枚の作品である。又吉は沖縄県生まれ。浦添市役所に勤務しながら創作を続け、1976年に「第4回琉球新報短編小説賞」を受賞。1980年に「第4回すばる文学賞」を受賞し、それから15年後に芥川賞を受賞。コツコツと書き続けた結果としての栄冠だった。 続きを読む

スペシャリストが揃う参議院公明党②――伊藤たかえ議員(兵庫選挙区)

ライター
松田 明

国を動かした国会質問

 2021年3月8日。参議院予算委員会で「ヤングケアラー」の問題が取り上げられた。
「ヤングケアラー」とは、家族にケアを必要とする人がいる場合に、本来は大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどをおこなっている18歳未満の子どものことだ。
 たとえば障害や病気を持った家族の代わりに料理や洗濯などの家事をする。家族に代わって幼い兄弟姉妹の世話や見守りをする。目が離せない家族の見守りをする。日本語を母語としない家族のために通訳をしている。家族の看病、入浴やトイレ、食事の世話をする。
 さらには家計を支えるために労働をする。ギャンブルやアルコール依存症を抱えた家族の対応をする。自死念慮や感情のコントロールができないなどの精神疾患を抱えた家族の対応を日常的にしているケースもある。
 こうした実態はほとんど把握されず、あるいは「親思いの立派な子ども」という称賛に置き換えられて、かえって子どもに負担を強要してきた。 続きを読む