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脱・成長戦略の新たなビジョン「緑の福祉国家」を構想する

千葉大学教授
広井良典

環境・福祉・経済が相互に両立する社会へ。

経済成長が問題を解決するという幻想

 安倍政権はアベノミクスによって成長戦略を推し進めていますが、バブル崩壊後、90年代から自民党政権が行ってきた成長戦略はどれも成功していません。はじめは公共事業を中心に成長戦略を行い、小泉政権時代には規制緩和や構造改革を行い、市場に委ねる形で成長を図りました。
 それらがいずれもうまくいかず、今度は安倍政権のもと、金融緩和によって貨幣の量を増やすという、かなり危険な奥の手を使ってまで経済成長を図ろうとしています。しかし、安倍政権になって急に成長戦略がうまくいくとは極めて考えにくいことです。 続きを読む

人口減少社会という希望

千葉大学教授
広井良典

すでに始まった人口減少社会をどう捉えていけばよいのか。日本の未来に向けての新たな視点を語る。

本当の豊かさへの転機

 日本の人口は江戸時代後半、3000万人強でフラットな推移をしていました。それが明治以降、急激に人口が増加し、急勾配のまま伸び続けていきました。そして2004年に1億2784万人に達し、そのピークを迎えます。 続きを読む

創造的福祉社会実現に向けて

千葉大学教授
広井良典

改革やパラダイム転換を加速させる

 現在、日本は社会構造上の問題を数多く抱えています。
 人口減少や少子・高齢化の問題、また年間の自殺者が3万人を超えている事実などは、解決すべき喫緊の課題です。そして東日本大震災を経験したことで、それらの問題が、より先鋭化し、明るみに出てきたように感じています。 続きを読む