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「助けて」の心が生み出す新たな社会

NPO法人 北九州ホームレス支援機構理事長
奥田知志

 25年に及ぶホームレス支援の活動から見えた本当の絆の在り方とは何か。「助けて」と言える社会を見据え、その基盤となる思想を語る。

「絆は傷を含む」という覚悟に立つ

 ホームレス支援や困窮者支援の活動を通じて感じることは、「努力が足りない」「怠けている」といった「助けられる側」への自己責任論とともに、「助ける側」に向けても「助けるなら最後まで自分ひとりの責任でやりなさい」という自己責任論があることです。このような自己責任論がある中では、助けることのハードルが上がり、おいそれと人助けなんてできなくなってしまいます。 続きを読む

差別や差異を一緒に乗り越えたい

人材育成コンサルタント
辛淑玉

 人種差別的なヘイトスピーチが日本国内で広がる中、こうした差別の暴力に対し、対立ではなく〝乗り越える〟視点で活動を続ける辛淑玉氏に話を聞いた。

置き去りにされた人と一緒に生きる

 今回(2014年1月)受賞した「エイボン女性年度賞(※注)はこれまでの活動を評価していただいての受賞となりましたが、特にヘイトスピーチに関する取り組みが評価されたことはとても嬉しく思いますし、大きな意味を持つことだと思っています。
 私が育ってきた環境には、常にリアルな差別が目の前にありました。親を見ているとそこには民族差別があり、母親と父親の関係では女性差別があり、周囲にはシングルマザーの問題も数多くありました。 続きを読む

平和に向けた政策提言活動を続ける――命を見つめる視点忘れない

日本リザルツ代表
白須紀子

飢餓と貧困の根絶を

 私たちリザルツは、アドボカシー活動(特定の政策を実現するために社会的な働きかけをすること)を行っている国際市民グループ(NGO)です。私たちの活動の目指すところは、民意の反映された国際援助を実現し、いまだ世界に存在する飢餓と貧困の根絶を最優先とする〝政治的意思〟の確立です。 続きを読む

〝女性が働く〟が当たり前の時代に

少子化ジャーナリスト
白河桃子

働く女性の裾野を広げる成長戦略

 アベノミクスの成長戦略では、女性活用に焦点をあてています。「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上にする」「すべての上場企業で役員に1人は女性登用」といったことが目標とされていますが、私はここで1つ抜け落ちている問題があると思っています。それは、これからは働きたい女性も働きたくない女性も、働かなければいけない時代になっていくということです。 続きを読む

【2014新春座談会】日本・韓国・中国のこれからを語る

脳科学者・茂木健一郎
現代美術家・宮島達男
明治大学法学部助教・金惠京
日本学術振興会特別研究員・三浦瑠麗

 日中韓の東アジアの関係では批判的な声ばかりが目立つが、アジアの時代を迎える中で東アジアの安定はより一層重要性を高めていく。批判ではなく提案と行動で、2014年の東アジアのビジョンを描き出す。 続きを読む