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メインプレイヤーになった公明党――『いま、公明党が考えていること』を読む(上)

ライター
松田 明

 『いま、公明党が考えていること』は、キリスト教徒にして元・外務省国際情報局主任分析官、日本を代表する論客である佐藤優氏が、公明党代表の山口那津男氏と縦横に語りあった対談である。手軽な新書サイズなうえに、対談なので読みやすく、また、どこから読んでもかまわない構成になっている。

日中関係を〝過去最悪〟にさせた民主党政権

 公明党は1999年10月、自民党小渕内閣の要請を受け政権に参画した。3年3ヵ月の民主党政権時代を除き、すでに通算13年以上、日本の政権の一翼を担っている。 続きを読む

日中韓の緊密な連携こそ 東アジアに平和と安定をもたらす

明治大学助教
金惠京

 尖閣諸島問題や竹島問題、従軍慰安婦問題など、いまだかつてない不安定な状況下におかれる日中韓関係。3ヵ国の関係改善に向け、これから目指すべき道とは。

共通の歴史教科書づくりを

 日本外交の展望を開いていくためには東アジア全体の平和と安定を目指していく必要があります。そのためには北朝鮮問題の解決は避けて通ることのできないテーマです。まず前提となるのが日中韓3ヵ国の緊密な連携です。ところが状況は思わしくありません。 続きを読む

新しい「生きるモデル」の構築を急げ!

北海道大学大学院教授
山口二郎

自民党安倍新政権がスタート。希望ある未来構築のために必要な新政権の課題とは何か。

アベノミクスに、浮かれてはいけない

 今の政権運営を見ていると、前回の安倍政権の失敗からかなり学習して慎重な政権運営をしていることを感じます。つまり、野党時代の主張と政権奪取後の言動にいい意味での開きがある。たとえば、安全保障問題や歴史認識の問題などについては、安倍首相本来の持論からはかなりトーンダウンしているわけで、そこには、近隣諸国や国民に余計な心配をかけまいとする現実的な配慮があります。これは評価に値します。
 ただ、期待感が高まっているアベノミクスについては多少疑問を持っています。 続きを読む

「多様性」をキーワードにした政治・社会を育てるべき

同志社大学学長
村田晃嗣

 2期目を迎えたアメリカのオバマ政権、中国・韓国の新リーダーの登場など、日本の外交は新たな局面を迎えている。今後の状況を捉えるために大切な視点、世界で通用する人材育成などについて聞いた。 続きを読む

日中関係の改善へ向けて互いの理解と対話の場を

甲南大学教授
胡金定

日中関係はかつてない緊張と摩擦の高まりを見せている。今の状況をどう乗り越えるか。

本当の中国を日本人は知らない

 今日の日中関係は決して良好な状態ではないでしょう。お互いに本音で語り合うことができていません。その原因は日本の大マスコミの報道姿勢にあると思います。中国の悪い点ばかりが報じられ、日本国内にいると正確な中国情勢、中国人像を把握することができません。中国は「悪い大きな隣国」というイメージを日本の皆さんに与えています。 続きを読む