ユネスコ無形文化遺産の登録へ
――最近あまり耳にしなくなったと感じますが、沖縄空手をユネスコの無形文化遺産に登録しようという長期戦の運動はその後どうなっていますか。
金城信尚課長 それに関して言いますと、令和4年度から6年度(昨年度)にかけて、ユネスコ登録に向けた調査ということで、沖縄の空手がいかに生活文化に密着しているかということを調査しました。特に棒術をはじめとした空手が地域の伝統行事に取り入れられ、生活文化に密着しているということがあって、それを報告書にしたのが昨年度です。ホームページでも公表しています(「生活文化に息づく『沖縄空手』調査報告書」沖縄空手ユネスコ登録推進協議会)。今年度はシンポジウムを開催するという形で、空手家をはじめ、県民の皆さま方に調査結果をフィードバックしたいと考えています。
あとそれとは別に、通例ですと日本の国内の無形文化財として登録なり指定を受けたものを、国がユネスコに申請を行う手続きとなっているのですが、国内においてはこれまで「武道」が登録された事例がなくて結構ハードルが高い面があります。空手だけではなかなか登録が難しいので、伝統芸能や食文化など、別の分野と一緒に沖縄空手も含めて登録できないかということを模索しているところです。長期戦になると思います。
――ご自身の課長任期中に達成するという話ではないのですね。
金城課長 すぐにということではないと思います。ただしある程度のメドといいますか、今回の調査を通じて空手がどのように生活文化や地域行事に取り入れられてきたかを知れたのは意義深いと思いますので、それを広く知っていただこうと考えています。 続きを読む