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連載「広布の未来図」を考える―第14回 創価学会の持つ〝宗教性〟とは

ライター
青山樹人

「宗教」の果たす本質的な役割

――東日本大震災から15年の節目を迎えました。復興が進んだ地域も多い一方、今もなお2万6千人余りの方々が避難生活を送られています。

青山樹人 「千年に一度」とさえ言われたあの巨大災害は、あらためて中間団体としての宗教団体の意義や役割にも光を当てました。
 交通や通信インフラが麻痺し、行政すら被災して大きく機能が損なわれた発災直後の被災地にあって、多くの神社や寺院、教会、もちろん創価学会の会館も、緊急的な一時避難所として機能し、人々の命を守りました。

 それは単に「場所」を提供したことにとどまりません。むしろ、日常から人々がつながってきたそれぞれの宗教的なコミュニティが機能して、初動では被災者自身が被災者に救援の手を差し伸べた。全国的なネットワークを持つ教団では、各地からそこに支援が加わった。
 その「命を守る」拠点として寺社や会館などが機能したのです。 続きを読む

連載「広布の未来図」を考える―第13回 包摂し活かすのが「中道」

ライター
青山樹人

「分断と対立」に揺れ動く世界

――2026年も年頭から国内外の政治に目まぐるしい動きが続いています。まず1月3日(現地時間)未明、トランプ大統領の命令を受けた米軍が、南米ベネズエラの首都カラカスを含む複数の拠点を爆撃。同時に特殊部隊(デルタフォース)による急襲作戦を実行して、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束して米国内へ移送しました。

青山樹人 「自由」と「民主主義」「法の支配」「基本的人権」などを価値観としていたのが米国です。その米国が他の主権国家に武力攻撃を加えて国家元首を拘束連行しました。
 議会の承認さえ得ていなかったことについて、トランプ大統領は合衆国憲法第2条に基づく権限(最高司令官としての権限)だと主張していますが、議会からは民主党を中心に「宣戦布告の権限を持つ議会を軽視しており、違憲である」との批判が噴出しています。

 いずれにしても、これではロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、大国が〝力による現状変更〟を試みようとすることに正当性を与えてしまうと懸念されています。 続きを読む

連載「広布の未来図」を考える――第12回 「正義」と「寛容の対話」

ライター
青山樹人

「離脱」で見えてきた公明党の影響力

――前回(「第11回 アニメ・マンガ文化」2025年9月24日)から1カ月以上も空いてしまいましたが、その間、自民党の総裁選、公明党の連立離脱、自民党と日本維新の会の閣外協力による〝連立〟政権樹立、公明党の下野、高市早苗・自民党総裁による憲政史上初の女性総理の誕生など、永田町では大きなトピックが続きました。

青山樹人 しかも外交日程が重なって、早速10月27日にはアジア歴訪中のトランプ米国大統領が来日するなど、さまざまな局面で政治がショーアップされた1カ月だったように感じています。

 ともあれ、創価学会が支持・支援する公明党は、1999年10月から始まった自民党との連立に、ひとつの区切りをつける判断をしました。
 苦渋の決断ではあったと思いますが、自民党の「政治とカネ」を曖昧にしたままでは、連立は続けられないということだったと理解しています。
 四半世紀の協力関係が少なくとも政党間では終わるので、公明党の選挙戦略も抜本的に練り直しを余儀なくされますね。 続きを読む

連載「広布の未来図」を考える――第11回 アニメ・マンガ文化

ライター
青山樹人

半導体産業や鉄鋼産業を上回る規模

――前回(第10回)は「活字文化」について取り上げましたが。今回は関連して「アニメ・マンガ文化」について触れていきたいと思います。

青山樹人 いいですね。ご存じのように、日本のアニメやマンガは、今や世界中で愛されています。
 2025年3月に内閣府知的財産戦略推進事務局が公表した資料(第1回コンテンツ戦略ワーキンググループ・参考資料/2025年3月13日)によると、既に2023年時点で日本のコンテンツ産業の市場規模は、13.3兆円と推定されています。ゲームが含まれるとはいえ、大きな規模です。
 また、同年の日本のコンテンツ産業の海外展開の市場規模も5.8兆円。これは、半導体産業(5.5兆円)、鉄鋼産業(4.8兆円)、石油化学産業(1.4兆円)をも上回る規模なんです。

 経済産業省が同じく2025年3月に発表した「エンタメ・クリエイティブ産業戦略中間とりまとめ案」では、2033年には20兆円規模をめざすとしています。 続きを読む

連載「広布の未来図」を考える――第10回 今こそ「活字文化」の復興を

ライター
青山樹人

日常の活動で「平和」を考える

――前回(第9回)では、いよいよこれからが正念場という決意で「平和の文化」を構築していくことを論じていただきました。読者からも、日常の活動のなかで一人ひとりが「平和」について考え、学び、語り合っていくことの重要性に気づいたという反響がありました。

青山樹人 この夏は創価学会でも青年部を中心に各地で「平和」や「核廃絶」に関する催しが続きましたね。
 8月6日付『聖教新聞』でも開催が報じられた、「広島学講座」は、広島創価学会・青年部が取り組んできたもので、今回でなんと200回目を数えたということです。200回目の講師は、国連事務次長でもあるチリツィ・マルワラ国連大学学長でした。

 創価学会の平和運動が国内外で信頼され、評価されているのは、ひとつには、このように地道に息長く継続して取り組んでいることです。「広島学講座」にしても、1980年代から地道に継続している。
 ふたつめには、それらが一部の専門家ではなく、文字どおりの無名の庶民たちによって、世代を超えて営まれてきたことでしょう。
 このことは、たとえばマハトマ・ガンジーやマーティン・ルーサー・キング牧師の後継者たちも、驚きをもって見ています。

※参考記事:書評『牧師が語る仏法の師』――宗教間対話の記録

 日常の学会活動から〝地続き〟のかたちで、このような世界的にも稀有な平和運動が継続しているのです。民衆に支えられた、民衆による平和への取り組みです。
 だからこそ、おっしゃるように意識して、再びそれを日常の現場に還元して落とし込み、日頃の活動のなかで「平和」について考えたり学んだりすることが大切かもしれません。

 その際、これまで話し合ってきたように、会員であるなしに関係なく参加できるような方向性やかたちをめざしていけると、より理想的な気もします。 続きを読む