【コラム】「無料社会」がもたらす文化の劣化を憂う

フリーライター
前原政之

「フリーミアム」は「タダでラッキー!」なだけか?

 米国の雑誌『WIRED(ワイアード)』の編集長で、「ロングテール」という概念の提唱者でもあるクリス・アンダーソンは、その著書『フリー/〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(NHK出版/高橋則明訳)の中で、次のように述べている。

「今日、市場に参入するもっとも破壊的な方法は、既存のビジネスモデルの経済的意味を消滅させることだ。つまり、既存ビジネスが収益源としている商品をタダにするのだ。すると、その市場の顧客はいっせいにその新規参入者のところへ押しかけるので、そこで別のモノを売りつければよい」

 これが「フリーミアム」を指していることは、いまでは言うまでもない。 続きを読む

【コラム】ベビーカーをもっと利用しやすい社会に!

ライター
佐山 要

「坊やがねちやうと
 乳母車、
  日かげにそつといれられる。
そしてふんはり
 ふんはりと、
  もひとつ毛布をのせられる。」

――これは、『ごん狐』の作者として知られる新美南吉の『乳母車』という詩だ。乳母車は母性の象徴のような存在として描かれている。
 誰もがかつては赤ん坊だった。誰もが母に守られていた。そして乳母車のお世話になった。
 その乳母車は一説によると、1848年に、アメリカ・ニューヨークで生まれたらしい。 続きを読む

政党政治の行方と公明党の使命

北海道大学公共政策大学院准教授
吉田 徹

生活に根ざした、地味で当たり前の政治を行える政党はどこか。

日本にはなじまない2大政党制

 1990年代前半の政治改革論議の結果、日本では96年の衆議院選挙で初めて小選挙区比例代表並立制が導入されました。イギリスの2大政党制をモデルとして、自民党も民主党も日本に「政権交代がある民主主義」「競争がある政治」を実現しようとしました。
 ところが2000年代に入ってから今日に至るまで、日本でイギリス型の2大政党制は実現していません。 続きを読む

【コラム】今こそ国が責任を持ち子どもの貧困対策を!

ライター
佐山 要

 子どもの基本的人権を保障するためにつくられた『子どもの権利条約』には、「締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する」とある。この条約は1989年に国連総会で採択され、その5年後に日本も批准した。
 当時、日本ではバブル経済が崩壊し、長い不況に入りつつあったが、まだ「貧困」という言葉とは無縁だと思われていた。ところが、日本の子どもの貧困率は、1985年の時点で10.9%。実に10人に1人が貧困に陥っていた。以来、子どもの貧困率は上昇を続け、2009年には15.7%となった。 続きを読む

ネット選挙解禁で、「有権者にできること」「求められること」

フリーランサー
土屋伸雄

 2013年の夏の参議院選挙から、インターネットを活用した選挙運動が〝解禁〟されました。解禁により一体何が変わるのでしょうか。主に有権者の視点から解説していきます。 続きを読む