戦後8番目の短命内閣
10年前の2009年8月30日。
日曜日の朝、全国紙の一面広告を使って、次のようなメッセージが掲載された。
あなたは言う。どうせ変わらないよと言う。政治には裏切られてきたと言う。しかし、あなたはこうも言う。こんな暮らしはうんざりだと。私は言う。あなた以外の誰が、この状況を変えられるのか。あなたの未来は、あなたが決める。そう気づいた時、つぶやきと舌打ちは、声と行動に変わる。そして、あなたは知る。あなたの力で、世の中を変えた時の達成感を。
この、いささか抒情的なメッセージの横には、紙面いっぱいに鳩山由紀夫氏の写真。そして、大きな白抜きの文字で「本日、政権交代。」というコピーが躍る。
そう、この日は第45回衆議院議員選挙の投票日だったのである。
そして鳩山氏が率いる民主党が史上最多の308議席を獲得して政権交代が決定した。
鳩山氏が国会で首班指名を受け、民主党政権が発足したのが9月16日。発足直後の内閣支持率は72.0%(共同通信社調べ)にもなった。
だが、政権交代への大きな起爆剤になった普天間飛行場の「最低でも県外」も、単なる思いつき同然の言葉だったことが次第に明らかとなる。 続きを読む