世界宗教が備える「doing」
今回(第47回)の「SGIの日」記念提言を読んで、「doing(行動)」の書であるという印象が強く残りました。一般に、宗教は「聖典」(教典)を持ちますが、その共通点として「being(あり方)」を説いていることなどが挙げられます。具体的には、神仏の姿、教え、目指すべき社会、先人らの殉教の物語――といったものです。
その上で提言は、日蓮の教え(being)を念頭に、眼前の地球上の諸課題を直視し、「このように解決していこう」との「doing」を国際社会・市民社会に呼びかけています。すなわち、教条主義に陥らず、刻々と変化する時代や社会状況に応じて、現実的かつ万人が共感し得る具体的方途を示している。そうした「画期性」が重要だと感じます。また、このような提言を40年も前から継続してきた熱意に感銘を受けました。
さらに、もう一重思索を重ねると、創価学会ではすでに「being」が確立されているからこそ、明確な「doing」を展開できることが理解できます。これまで私は第三文明社の出版物はじめ、池田会長の著作を何冊も読んできました。中でも小説『人間革命』には、日蓮の教えを現代に継承する三代会長の平和行動と、草創期の学会員の物語が綴られています。この小説が「being」として受け継がれているから、学会員の皆さんもよりよい社会の実現に向かって「doing」できると考えられるのです。 続きを読む