獄中に閉じた生涯
生前に功成り名を遂げ、あるいは権勢を誇ったものの、没して時間を経るごとに世の記憶から消えていく人物というのは、実際あまりにも多い。
反対に、ひそやかに生涯を終えながら、時代と共にその生きた軌跡と残された思想が燦然と輝きを帯び、世界に大きな影響を与えていく人間が、稀に存在する。
牧口常三郎は、まぎれもなくそうした稀有な1人であろう。 続きを読む
生前に功成り名を遂げ、あるいは権勢を誇ったものの、没して時間を経るごとに世の記憶から消えていく人物というのは、実際あまりにも多い。
反対に、ひそやかに生涯を終えながら、時代と共にその生きた軌跡と残された思想が燦然と輝きを帯び、世界に大きな影響を与えていく人間が、稀に存在する。
牧口常三郎は、まぎれもなくそうした稀有な1人であろう。 続きを読む
少し前のこのコラムで吉田健一の食にまつわるエッセーと短篇小説を取り上げた。しかし彼の書くものは、そればかりではない。デビューしたころは批評家として活躍したし、のちになって長篇小説も書いた。
『東西文学論』は、彼の代表的な評論だ。明治以降に日本人がどのようにヨーロッパから文学を受けとめたかを論じているので、近代の見直しを迫られているいま、新しい時代を考える参考になる。 続きを読む
もう20年ほどになるだろうか。日本と韓国の作家のシンポジウムが韓国で催された。日本側の団長的な立場を担ったのが、柄谷行人さんだった。僕はこのときに初めて柄谷さんと会った。
もちろん高名な批評家なのだから知ってはいたし、著作も読んでいた。ただ、生の柄谷さんと接したことはなかった。だから、少しばかり緊張していた。
親しい編集者から聴いた逸話だが、柄谷さんは結婚していたとき、奥さんと揉めると、俺の頭をこんなことに使わせるのは、世界史の損失だというようなことをいったらしい。そんなテンションで、ものを考える人は、僕の身近にいなかった。 続きを読む
目前に迫った東京都議会議員選挙。
共同通信社が6月24、25日に実施した調査では、
既に投票先を決めている人の政党別内訳は、都民ファが26.7%、自民党が25.9%。(共同通信47NEWS)
という結果が出た。 続きを読む