コラム」カテゴリーアーカイブ

名護市長選が示したもの――「分断」「憎悪」の政治ではなく

ライター
松田 明

不可解な〝敗戦の弁〟

 沖縄県名護市の市長選挙(2月4日投開票)の結果が出た。
 投票率は76.92%。前市議で新人の渡具知武豊氏(自民、公明、維新が推薦)が20389票を獲得し、現職の稲嶺進氏(民進、共産、自由、社民、社大が推薦、立憲が支持)を約3400票差で破って当選した。 続きを読む

【書評】資本主義から〝価値主義〟の時代へ――『お金2.0』(佐藤航陽著)

フリーライター
松田 明

お金にはならない価値

 2017年11月に刊行されるや、ベストセラーとして注目を集めている一冊。
 著者の佐藤航陽(さとう・かつあき)氏は1986年生まれ。早稲田大学在学中だった06年に株式会社メタップスを創業。15年には東証マザーズに上場し、年商100億円を上回るグローバル企業に成長させた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第42回 パーマカルチャー

作家
村上政彦

 作家は、子供の心、若者の肉体、老人の知恵を備えていなければならない。子供は好奇心が旺盛だ。身の周りのさまざまなものに関心を持つ。僕もつねに時代や社会を呼吸し、風を肌で感じている。
 あるとき、ネットで調べ物をしていたら、「パーマカルチャー」という言葉にひっかかった。聴いたことがあるような、ないような……勘が働いて、何かおもしろそうなことが待っていそうな気がして、調べてみた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第41回 なつかしい時間

作家
村上政彦

 先日、都内で開かれた、ある文学者の会に参加した。ちょっと風邪を引いていたのだが、これは僕が事務方を担っているので休むわけにいかない。その日は、もうひとつ別の文学者の会があって、これも僕が中核のメンバーの1人なので出ないわけにいかない。
 それは、まあ、いい。少しくらいの風邪なら、社会人はみんな無理して働いている。もっともこういうとき、無理をしないのが、僕のポリシーなのだが、仕方がない。物書きも社会人の1人だ。ただ、問題なのは、会から会までに2時間程の時間があることだ。
 女性ならウインドーショッピングをする。映画好きなら映画を観る。どちらでもない僕は、さて、どうしたでしょう? 続きを読む

政権交代5年の明暗――「対決」の野党と「合意形成」の与党

ライター
松田 明

政権安定のカギは公明党

 2012年12月26日に第2次安倍内閣が発足して満5年。自公連立政権は6年目に入った。
 この間、いずれの選挙でも、とくに10代から30代の若い世代が顕著に与党を支持してきた。多様な情報をキャッチし、就職や子育てに直面する世代ほど、政権担当能力にシビアな審判を下し、自公政治の安定を望んできたといえる。 続きを読む