コラム」カテゴリーアーカイブ

野党共闘の先の悪夢――共産党との連合政権

ライター
松田 明

4野党の政策協定を報じる『読売新聞』(9月9日付)

誰が辺野古移設を決めたのか

 9月8日、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組の野党4党が、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を介する形できたる衆議院選挙への政策協定を結んだ。
 4野党の党首が署名したのは「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」と題するもの。
 その「共通政策」のなかには、「アジアにおける平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う」「沖縄辺野古での新基地建設を中止する」「消費税減税」「原発のない脱炭素社会を追求する」といった項目も並ぶ。
 立憲民主党の枝野代表は、日本共産党の志位委員長、れいわ新選組の山本太郎代表らと共に、署名した共通政策提言と記念撮影に収まった。 続きを読む

芥川賞を読む 第9回 『犬婿入り』多和田葉子

文筆家
水上修一

独特の文体で、奇妙でリアルな世界を描き出す

多和田葉子著/第108回芥川賞受賞作(1992年下半期)

引き込まれる独特の文体

 第108回芥川賞を受賞した多和田葉子は、「村上春樹よりもノーベル賞に近い」とも言われる作家だ。実際、2016年にはドイツの文学賞「クライスト賞」を受賞し、2018年には米国で最も権威のある文学賞のひとつとされる「全米図書賞」を受賞している。国内でも、2000年に「泉鏡花文学賞」、2003年に「伊藤整文学賞」と「谷崎潤一郎賞」、2011年に「野間文芸賞」、2013年に「読売文学賞」を受賞し、2020年には「紫綬褒章」を受章している。
 そんな彼女が32歳の時に芥川賞を受賞した作品が「犬婿入り」だ。『群像』(1992年12月号)に掲載された77枚の短編である。 続きを読む

特集㊵ 世界宗教への飛翔――創立100周年めざして(シリーズ完)

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
→Amazon
→セブンnet
第三文明社 公式ページ
 

連載エッセー「本の楽園」 第119回 100年読まれるライターの教科書

作家
村上政彦

 大学のクリエイティブ・ライティングのクラスで教えるようになって6年が過ぎた。そのあいだ、大手出版社の新人賞を受けた学生を2人輩出した。どちらも女子学生で、世の中は女性作家の活躍が話題になっているが、大学も例外ではない。
 僕は、この2人の女子学生に特別なことを教えたわけではない。もともと高い能力を持っていた。だから、少し助言をしただけで、自力で作品を書いて、受賞に結びついた。例年、このような原石は2~3人いる。僕は彼らを見い出し、励まし、作品が完成するのを見守るだけである。
 クリエイティブ・ライティングのクラスで教えるにあたって、いちばん難題だったのは教科書だった。僕は今年で作家デビュー33年になるが、それまで人に小説の書き方を教えた経験がなかった。 続きを読む

コロナ禍で問われる政党の能力――ヒットを打つ公明党

ライター
松田 明

自宅療養者の重症化防ぐ

 6月から上昇の一途だった東京都の新型コロナ陽性者数が、8月下旬に入って減少トレンドに移った。予断は許さないものの、1日100万回ペースのワクチン接種が着実に継続していくなかで、日本のワクチン接種回数は世界的にも上位になっている(「NHK特設サイト「世界のワクチン接種状況」)。
 さらなる感染予防の徹底でなんとか減少傾向を維持したい。
 政府が5月に大規模接種センターを設置したあとも、立憲民主党の枝野代表は「ワクチン頼みではなく検査拡大にかじを切るべき」などと発言していた。
 立憲民主党や、ワクチン確保と接種の予算に反対した日本共産党などが仮に政権をとっていたなかでコロナ禍が起きていたら、大変な惨状になっていただろう。 続きを読む