投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

ふたたび野党に不穏な空気――またしても四分五裂のはじまりか

ライター
松田 明

前原氏らが維新と接近

 旧民進党から〝ケンカ別れ〟した立憲民主党と国民民主党。
 昨年(2019年)、再結集をめざしたものの主導権争いで迷走。政党合併の話はついにまとまらず「共同会派」という名目で落ち着いた。
 立憲民主と国民民主、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」(社保)、社会民主の4党派による衆院の新会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」(略称は「立国社」)である。
 ところが今年の3月以降、コロナ関連で大阪府知事のメディア露出が増えると、日本維新の会の支持率が増加。「立国社」の各党は相変わらずの低迷が続いた。
 そもそも2009年に当時の民主党が政権を取ったあと、彼らはいったい何度、別れたりくっついたりを繰り返してきただろう。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第93回 宛名のある詩

作家
村上政彦

 第86回で、若松英輔の詩論『詩と出会う 詩と生きる』を取り上げた。今回は、彼が書いた詩を読んでみたい。
 若松は、きちんと詩を読めるようになるには、自分が実作しなければならないという。 上手な詩を書こうとおもわないでいい。そういう気負いを捨ててしまえば、思いのほか気楽に詩を書くことができる――そう読者に呼びかける。
 若松の第三詩集『燃える水滴』が手元にある。ページを繰って読んでみると、実にすらすらと読める。ほとんど引っかかるところがない。これは現在の詩のトレンドである「現代詩」と呼ばれる詩たちとは、対極にあるようにおもえる。 続きを読む

書評『夜回り先生 水谷修が見た公明党』――子どもたちを守ってきたのは誰か

ライター
本房 歩

なぜ夜回りを始めたか

 書評子として、自分の「感情」をあからさまに書いてしまうのは、誉められる話ではない。
 じつは第三文明社から本書が届いたとき、書名だけで勝手に内容を想像してしまっていた。
 ああ、あの「夜回り先生」として知られる水谷修氏が、きっと公明党の政策なり実績なりを肯定的に評価する書籍なんですね、と。
 ところが、プロローグからわずかに読み進めるうちに、不覚にも目頭が熱くなってしまった。それはエピローグを読み終わるまで何度も続いた。 続きを読む

特集② 創価学会は「地涌の教団」――立宗700年から流通広布の時代

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
→Amazon
→セブンnet
第三文明社 公式ページ
 

書評『ガラパゴス政党 日本共産党の100年』――緻密な検証で追うタブー集

ライター
本房 歩

社会党の近親憎悪

 なぜ著者がこの本を書くに至ったのか。
 その理由が端的に「エピローグ」のなかに記されていた。
 著者は早稲田大学に入学した当時、自分の学部の自治会を仕切っていた「民青」の意味さえよく理解していなかった〝典型的なノンポリ学生〟だったと述懐している。
 ちなみに「民青」とは「日本民主青年同盟」の略であり、日本共産党の下部組織である。
 卒業後、編集プロダクション勤務などを経て、当時の社会党機関紙『社会新報』の記者になった。

 編集部には、政党機関紙『赤旗』が置かれていたが、熱心に読んだ記憶はない。ただし社会党の中でしばしば感じたのは、同党内の強烈な共産党アレルギーで、近親憎悪に似た感情が渦巻いていた。(本書)

 1996年末に民主党の結成で社会党は分裂。著者はフリーランスになった。 続きを読む