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連載エッセー「本の楽園」 第71回 アール・ブリュットの作家たち②

作家
村上政彦

 アール・ブリュットの代表的な作家のひとり、ヘンリー・ジョセフ・ダーガーは、1892年に米シカゴ市内に生まれた。父はドイツからの移民で仕立て屋を生業とした。ダーガーが3歳のとき、母が女児を出産し、それがもとで亡くなった。妹は里子に出された。
 父は教育熱心で息子が就学するまでに読み書きを教えた。8歳のとき、父が体調を崩して老人施設に入所し、少年は孤児院に預けられた。南北戦争における死者数を教師と論争するほど利口な子だったが、感情障害の兆候が見られ、12歳で精神薄弱児施設に入った。 続きを読む

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理念なき野合の繰り返し——反目し合う野党の現実

ライター
松田 明

解散した自由党

「平成」から「令和」へ。
 改元を挟む史上最長10連休のゴールデンウイークを目前にした4月26日、国民民主党と自由党の合併が発表された。
 合併後の党名は、国民民主党。理念も政策も国民民主党のものを継続し、代表は玉城雄一郎氏のまま。合併にあたって小沢一郎氏の率いる自由党は解散した。
 支持率が1%あるかないかという両政党の合併のニュース。 続きを読む

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連載エッセー「本の楽園」 第70回 アール・ブリュットの芸術家たち①

作家
村上政彦

 最近、アール・ブリュットという言葉を、よく耳にするようになった。知ってはいたけれど、詳しく調べたわけではない。このコラムで鶴見俊輔の『限界芸術論』を取り上げたあたりから気になり始めて、アール・ブリュットの作家たちの作品集『アウトサイダー・アート』を手に取ってみた。
 冒頭にジャン・デビュッフェのマニフェストがある。けっこう長いので、傍らの注を引いておく。 続きを読む

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「野党共闘」に暗雲――共産党の凋落と統一候補の大敗北

ライター
松田 明

自民党の0勝2敗

 4月におこなわれた第19回統一地方選挙と2つの衆議院補欠選挙。
 メディアの耳目は主に2つの補選(大阪12区と沖縄3区)でいずれも自民党の擁立した候補が敗れたことに集まった。
 2012年以来、自民党の候補が国政選挙の補選で敗れたことがなかっただけに、自民党にとって0勝2敗は手痛い結果に違いない。 続きを読む

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知日派・知中派を育てる――日中の相互的な交流事業

ライター
大森貴久

まずは知ってもらうこと

 うっすらと春の気配が近づいてきた2月19日。中国からの訪日団が羽田空港に降り立った。
「笹川杯日本知識大会」や「笹川杯作文コンクール」(いずれも日本科学協会の主催)などで優秀な成績を収めた学生に、引率の教員などを含めた総勢35名。一行のなかには、これが初訪日となる人たちも少なくない。 続きを読む