ハーバード大学には、「ノートン・レクチャーズ」と呼ばれる詩の連続講義がある。これはひとりの講師を教授として招いて、毎年開かれている。講師の顔ぶれがすごい。T・S・エリオット、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、ウンベルト・エーコなどの世界的な詩人、小説家ばかりか、ベン・シャーン、イーゴリ・ストラヴィンスキー、レナード・バーンスタイン、ジョン・ケージなど、名だたる画家や音楽が教壇に立ってきた。
トルコの小説家オルハン・パムクも、そこに名を連ねた。彼がノーベル文学賞を受けたのが2006年。「ノートン・レクチャーズ」に招かれたのは、その3年後だった。ハーバード大学の学生が羨ましい。ボルヘスやエーコの講義は、僕も聴きたかった。もちろん、パムクの講義も。
ま、本という便利なものがあるお陰で、ハーバード大学の学生でなくとも、内容を知ることはできる。こっそり、パムクが講義をしている様子を見てみよう。 続きを読む
