【コラム】認知症を社会で支える体制を――65歳以上の高齢者4人に1人が認知症になる時代

ジャーナリスト
柳原滋雄

高齢者の4人に1人が認知症の時代

 高齢化社会の進展で、自分の身の回りに認知症の高齢者がいるのが当たり前の時代に入った。厚生労働省の調査(2012年)によると、全国の65歳以上の高齢者の15%にあたる約462万人が認知症と推計され、さらに認知症の前段階とされるMCI(軽度認知障害)の高齢者も約400万人いて、65歳以上の4人に1人が認知症あるいはその予備軍と見られている。問題は、今後こうした人々が社会的に急増すると予想されることだ。 続きを読む

著者インタビュー『日本人はなぜ存在するか』

愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科准教授
與那覇 潤

 著書『日本人はなぜ存在するか』で示した再帰性の観点が、ナショナリズムが台頭しつつある今の日本になぜ必要なのか。與那覇氏に話を聞いた。

――著書『日本人はなぜ存在するか』のテーマである「再帰性」の考え方はなぜ必要なのでしょうか。

 再帰性とは、「われわれは単に現実に存在するものを認識しているというより、逆に認識を通じて現実を作り出している」という視点のことです。わかりやすいように、まずは個人と世界の関係で例を出せば、夕焼けが赤く見えるのは太陽自体が赤いからなのか、私の網膜にそれを「赤く見る」性質があるからなのか。後者の観点を取るのが再帰性の立場です。 続きを読む

冤罪を根絶するため刑事裁判の改革を徹底させていきたい

弁護士/元法政大学大学院教授
木谷 明

※この記事は『第三文明』2012年4月号に掲載されたものです。

検察官主導の裁判に問題点がある

 日本の刑事司法を概観したとき、大きな特徴として検察官の権力が強大すぎることが指摘できます。事実上、検察官が刑事裁判をコントロールしてきたといえます。
 刑事裁判において検察官の主張がすべてをリードし、裁判官はそれを追認して有罪認定をするという構造が恒常化してしまっていることが問題です。その結果、もっとも避けなければいけない冤罪が生まれてしまっているといえます。 続きを読む

対談企画シリーズ「『若者という希望』に未来を託そう」(第2回)

京都造形芸術大学教授
寺脇 研

「福島の今」から日本の未来を見すえる

第2回対談者 開沼 博(社会学者)

 未来を開くのは青年の熱と力──。教育者で京都造形芸術大学教授の寺脇研さんによる対談シリーズの第2回です。社会で活躍する「ゆとり世代」などの若者世代と語り合い、希望の未来を描き出します。今回のお相手は、気鋭の社会学者・開沼博さんです。 続きを読む

平和に向けた政策提言活動を続ける――命を見つめる視点忘れない

日本リザルツ代表
白須紀子

飢餓と貧困の根絶を

 私たちリザルツは、アドボカシー活動(特定の政策を実現するために社会的な働きかけをすること)を行っている国際市民グループ(NGO)です。私たちの活動の目指すところは、民意の反映された国際援助を実現し、いまだ世界に存在する飢餓と貧困の根絶を最優先とする〝政治的意思〟の確立です。 続きを読む