このところずっと手元に置いて、ちょっとした時間があると読み返している本がある。若松英輔の『詩と出会う 詩と生きる』だ。「NHKカルチャーラジオ文学の世界 詩と出会う 詩と生きる」という番組のテキストとして書き下ろされたものに、「薄い本一冊分ほど加筆」された本である。
もともとラジオ番組のテキストだったということで、とてもわかりやすい。しかし内容は、深い。詩を学びたい人には、いい仕上がりになっている。
僕は、若いころ詩を読んでいたし、書いてもいた。いまからおもえば、極めてつたないものだったが、書きたい意欲があふれていて、書かずにはいられなかった。好きな詩人は、中原中也と立原道造で、つまりは、そういう甘い、感傷的な抒情詩を書いていたのだ。 続きを読む
