かつて仮設のプレハブ住宅が立ち並んでいた宮城県石巻市の「追波川(おっぱがわ)河川運動公園」。ようやく仮設暮らしに別れを告げ、今は隣接する災害公営住宅(復興住宅)に暮らすお年寄りが寂しげにつぶやく。「何だか忘れられ、置き去りにされていくようでね。それが、一番つらく悲しい」――。東日本大震災から9年が過ぎた東北三陸沿岸の街々。道路や堤防などハード面の復興が進み、新しい街の形が姿を現しつつある中、「災後」を生きる人々は何を思い、どう暮らしているのだろうか。光と影が交錯する被災地の今を歩いた。 続きを読む
