投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

日中関係の改善へ向けて互いの理解と対話の場を

甲南大学教授
胡金定

日中関係はかつてない緊張と摩擦の高まりを見せている。今の状況をどう乗り越えるか。

本当の中国を日本人は知らない

 今日の日中関係は決して良好な状態ではないでしょう。お互いに本音で語り合うことができていません。その原因は日本の大マスコミの報道姿勢にあると思います。中国の悪い点ばかりが報じられ、日本国内にいると正確な中国情勢、中国人像を把握することができません。中国は「悪い大きな隣国」というイメージを日本の皆さんに与えています。 続きを読む

子どもの貧困対策は国家の成長戦略

社会運動家/反貧困ネットワーク事務局長
湯浅 誠

深刻化する子どもの貧困問題だが、子どもの貧困対策は単なる感情論だけではない。日本の重要な成長戦略として捉える視点が必要。

子どもの貧困は放置できない課題

 子どもの貧困問題の責任は子どもにはないという点では、日本中で合意がとれることだと思います。だから大人が何とかしなければいけません。
 日本の子どもの相対的貧困率は、OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかでは、中の上くらいの高い水準に位置し、現状のままでは残念ながら減っていく方向にはありません。 続きを読む

今こそ問われる 政教分離の本来のあり方

京都大学大学院教授
大石 眞

死者への尊厳を欠く 地方自治体の対応

 2011年3月11日に発生した東日本大震災では数多くの方々が亡くなられました。なかでも遺体となって発見された身元不明の犠牲者をどう供養していくかで、地方自治体が憲法の定める政教分離の原則に抵触することを理由に苦慮しています。 続きを読む

「おまかせデモクラシー」の時代は終わった

北海道大学公共政策大学院准教授
中島岳志

宗教団体の公共性・青年世代の公共意識と政治の関係とは。

行き詰まる政治と宗教の「分離」

 政治と宗教の問題を考えるときには、セキュラリズム(secularism=政教分離主義、世俗主義)という考え方をしっかり押さえておくべきです。
 宗教は基本的にホリスティック(holistic=全体的)な世界観をもつ、すべてを包み込む観念です。すべてを包み込む以上、宗教者は、「ここからは宗教的領域、ここからは非宗教的領域」などと分けたりはしません。 続きを読む