マックス・ウェーバー」タグアーカイブ

「おまかせデモクラシー」の時代は終わった

北海道大学公共政策大学院准教授
中島岳志

宗教団体の公共性・青年世代の公共意識と政治の関係とは。

行き詰まる政治と宗教の「分離」

 政治と宗教の問題を考えるときには、セキュラリズム(secularism=政教分離主義、世俗主義)という考え方をしっかり押さえておくべきです。
 宗教は基本的にホリスティック(holistic=全体的)な世界観をもつ、すべてを包み込む観念です。すべてを包み込む以上、宗教者は、「ここからは宗教的領域、ここからは非宗教的領域」などと分けたりはしません。 続きを読む

宗教への偏狭な制約は、憲法の趣旨に合致せず

政治評論家
森田 実

宗教的信条をもって人生を生きてきた

私は、誕生日を迎えると80歳となります。物心ついて以来、人智を超えた崇高なものへの畏敬の念を抱いて生きてきた気がします。墓参りや故人の命日には寺院での法要を行ったり、地域の祭礼に敬虔な気持ちで参加することなどを日常生活のなかで積み重ねてきました。 続きを読む

共同体が崩壊した日本にあって信仰に基づく連帯が持つ可能性――社会における宗教の役割・機能について

首都大学東京教授
宮台真司

日本人と宗教の関係

 まず社会学では、宗教をどのように捉えているかというところからお話ししましょう。
 マックス・ウェーバーの「エートス(行動様式)」あるいは、アメリカの宗教社会学者ロバート・N・ベラーが「心の習慣」と呼んだりしていますが、簡単には変えられない精神的な傾向について、それを形づくる非常に重要な要素として宗教を捉えています。もし日本人特有のエートスないし心の習慣があるとすれば、それは日本人と宗教の関係(宗教社会学的条件)を考えてみる必要があるのです。 続きを読む